そこで
理奈子は更に
話しを続けるのですが
その内容と云うのも
なんだか本当に真実とは
思え無いほど、まるで
信じ難かったのでした。

「でもね…それダケじゃぁ、
無いのよ、サーコ…!
あのサぁ…その後の方が…」

「え? ま、まだ…
なんか有るの…?」

この様に
些か呆れた様にして
私が驚いて居ると

「いや…こんなの、まだまだよ…
これから話す事の方が…
もっと凄いのよ…!」

そう言うと
こんなのは、まるで
そんなに大した事じゃ無いと
言わんばかりに、しかも
この程度で驚いて居た様な
この私を尻目に更に
話しを続けました。

「とにかく…その生徒が
卯月先生を叱り付けて、
しかも、その理由まで話しても、
卯月先生は全く理解出来
無かったみたいで…それで、
仕方無く、その生徒も、なんだか
もう一度、初めっから
説明したんだケドね…でも今度は、
分かり易い様に、その状況を
芝居みたいにセリフを付けて
話したのよ…そしたら、
その内容が余りにも
有り得ない様な事だったんで、
卯月先生も驚きながら、
まさに興味津々になって
聞き入ってたらしいの…
ところがサ、その話し自体が
余りにも面白かったらしくて
ソレを話してる生徒と聞いてた
卯月先生は突然、お互いに
思わず吹き出しちゃって…
なんと、そこからは、もう
止められ無いほど2人して
大笑いしてたんだって…!」

「ぇえ?…さっきまで怒ってて…
今度は2人で大笑いなの…!?」

「そうだったんだってッ!
だから…保健室に居た先生も、
そこのベッドで寝てた私の友達も、
本当に卯月先生と、その生徒が
あんなに仲良く楽しそうに
大笑いしてるのを聞いて…
なんか…ホントにビックリ
したらしいのよ!」

「そ…そりゃぁ…そうよね…!
あの卯月が大笑いしてた…って…
なんか全然、想像付か無いし…
しかも、生徒と2人ダケで、
大笑いしてたんでしょう…?
当然…ソレも秘密なのよね…?
いやぁ…そんなの、やっぱり
絶対、有り得ないよねぇ…!?」

「そうなのよ…この2人の事は、
あくまでも秘密らしいのよ…
それでね、その生徒も卯月先生も
本当に余りにも2人の会話が
楽しかったから、また是非
こうして2人で会って
話しがしたい…って事に
なったらしいんだケド…
でも…そうすると、この生徒が、
また何度も、こんな風にして
卯月先生に呼び出される様な事を
ワザワザ自分から、しなくちゃ
なら無いって事で…結局は、
そんな事をしてたら、その内、
本当に退学になっちゃうから、
やっぱり、その方法はダメ
だって事になったのよ…
それで2人共、結構、色々と
考えた挙句に、とうとうコレは
諦めるしか無いって決断したのよ…
そこで、こうして2人切りで、
こんな風に話せるのは、今回が
最後だって事になったんだケド…
そしたらサ、なんだか2人共、
余っ程、気持ちが落ち込んだのか…
ホント…部屋が一遍になんだか
シンミリしちゃってシーンと
静かになっちゃったんだって…
特に卯月先生なんか、それから
一言も言わ無いぐらいだからサぁ、
なんか本当に寂しかったみたいよ…」

「へぇ…ホントに…よっぽど、
その2人は気が合うって言うか…
まだチョット信じられ無いケド…
でも本当に仲が良かったみたいね…
だけどサぁ…なんで、そんなに
秘密にする必要が有るワケ…?」

「それがサぁ…なんか、どうやら、
卯月先生自身は別に秘密に
する事なんて全く無いって
言ってたらしいんだケド…
でもサ…その生徒の方が、
絶対に誰にも知られちゃ
ダメだって言い張ってたのよ…
しかも、その理由って言うのがね…
その生徒が言ってたんだケド…
こんな自分みたいな学校から完全に
マークされてる様な要注意生徒と
逆にソレを取り締まる風紀委員の
顧問の卯月先生が、実は本当は、
この学校で誰よりも仲がいい
なんて事が皆んなにバレたら…
卯月先生の信用問題になるから、
そんな皆んなに知られるなんて事は
絶対にダメだ…って事らしいん
だケドサぁ…でも…それでも、
卯月先生は、そんな事なんか
全く気にし無いし、もしも
それで信用が無くなったとしても、
別に構わないって言ったんだって…
そしたらサ、その言葉を聴いて
その生徒も、なんか本当に
感動したらしくて…
それでも…やっぱり学校の
皆んなにしたら、まるで
警察官と泥棒が凄く仲良く
してる様なモノだから…
そんな事は普通だったら
許される事じゃ無いから、
もう、コレで終わりにするのが
一番いいんだって言ってたのよ…」

「ほぅ…そりゃ、言われてみれば
なんだか…そう言う事にもなるのか…
じゃぁ…この話しは、もう
終わりって事なのね…?」

「まぁ…そう…なんだケド…
でも、それから先が有るのよ…」

「え?だって…もう、この話は
済んだんじゃ無いの?
だって…2人で会って話せるのは
コレが最後だって言ってたし…
だからサぁ、もう話しは完全に
終わったんだと思ったわょ…!」

「いや…だけどサ、この時は
6時限目の授業がチョット前に
始まったばかりだったし…
まだ時間だって30分以上は
残ってた筈だから…
ほら…それに、コレでもう
最後なんだったらサ…
この生徒だって、そんなに
直ぐには教室には戻ら無いで
やっぱり卯月先生とは
ギリギリまで話したかったんじゃ
ないのかなぁ…?」

「ふむ…まぁ…そりゃぁ、
そうよね…じゃぁ…その後は、
どうしたの?」

「そう、それなのよ!
なんかサぁ…そこら辺から、
その生徒がイキナリ凄い事を
言い出したらしいのよ!
それがね…初めはチョット
冗談っぽい様な、なんだか
謎掛けみたいな感じで
卯月先生に対して、
『先生は本当に毎日でも私と、
こんな風にずっと話しがしたいって、
本気でそう思ってるんですか?
もし、そうなら…一つダケ、
誰にも邪魔されずに、ずっと
毎日 いくらでも話せる方法が
有るんですケドね…!』
って言ったのよ、そしたら
卯月先生も凄く驚いて
『そんな事が本当に出来るのか?
それで、その方法とは一体、
何なんだ、教えてくれ!?』
って、本当に喜んでスッカリ
乗り気になっててサ…
ところが、その方法って
言うのが、なんと…卯月先生と
その生徒が結婚する事だって
言ったんだって!?」

「ぇえッ!?…な、なにソレ!
…それって、ホントなの…?
本当に、そんな事を言ったの?」

「うん、そうらしいのよ…
でも、そんな事よりも、
もっとオドロキなのが…
卯月先生の方なのよね…
だってサ…その生徒から、
その方法を聞いた途端に、なんか
急に静かになったと思ったら
『水曜日ならいいぞ!』
って突然、言い出したんだって…
だけど…その生徒にしたら、
一体、水曜日の何がいいのか
サッパリ分から無かったらしくて、
そこで卯月先生にも水曜日だと
何がいいのか聞いたのよ…
そしてらサ、なんと卯月先生は
『今度の水曜日なら丁度、
予定が何も入って無いから、
俺は、その日なら、お前と
結婚出来るゾ!』
って返事したんだってッ!?」

「はぁ〜?…なによソレは?
そんな、まさか学校の三者面談
じゃぁ有るまいし…
全く、そんな大事な事を、
簡単に今週や来週なんかで
直ぐ決めてサ、そんな単純に
結婚なんか出来るワケ
無いじゃないねぇ?」

「ホント、そうよねぇ、サーコ!
…まぁ、でもそれでね…
その生徒自身も、そんな風に
結婚は簡単には出来無いって事を
仕切りに言ってたんだケド…
それでも、なんか卯月先生には、
いくら説明しても余り通じ無くて…
だって卯月先生ったらサ…
なんか結婚は、お互いの予定が
合えば直ぐにでも簡単に
出来る様なモノだって思ってた
みたいなのよね…」

「へ?…なんで…そうなるの?
大体サぁ…そう言う事は
普通なら誰でも知ってる様な
事なんだケドなぁ…?
あ、そうか!まぁ…別に結婚は
役所に婚姻届け出せば直ぐに
出来るワケだしねぇ…
そうなると…まんざら間違ってる…
って事でも無いかぁ…?」

「まぁ…だけどサ、普通は
結婚するって言ったら、
やっぱり結婚式の事まで色々と
考えるんだろうケドね…
とにかく…それでサ、その生徒も
今度は違った方法で、卯月先生に
自分と結婚するって言うのが、
一体どんな事なのか具体的に
説明し出したのよ…例えば…
その生徒は当然まだ未成年だし
卒業もして無いから、卯月先生が、
この生徒と結婚したいなら、
先ずは、この生徒の両親に
結婚の許可を貰いに行かないと
ダメだとかサ…
もし、それで許可が貰えて
結婚した場合は、その生徒の
両親に代わって卯月先生が、
その生徒が卒業するまでの
学費など一切を面倒みなくちゃ
なら無いとかね…」

「ほぅ…なるほど…?
なんか、凄く現実的な話しに
なってる感じね…」

「いや…それどころかサぁ、
もし結婚したら、本当に2人で
生活して行けるのかって、なんか
そう言う事まで話しになって…
そこでね…その生徒がイキナリ
卯月先生の給料がいくらだか
聞いてみたんだケド…
ところが、その金額を聞いて、
その生徒が驚いて、そんな少ない
給料なんかじゃ、とても2人で
生活するのは無理だからって
そう言ったのよ…しかもサぁ、
それで結婚したら、当然ながら、
生活が苦しいからタバコや
お酒は止めなければなら無い…
って言ったら、なんだか
卯月先生が申し訳無さそうに
『う〜ん…ソレは無理だなぁ…』
って…一言だけ言ったんだって!」

「な〜んだ…それじゃぁ…
結婚したいって言うのは…
やっぱり冗談か何かだった
ってワケなのね!」

「う〜ん…ソレは分から無いケド…
でもね…その後で、その生徒も
本気で結婚したいと思ってるのか、
って卯月先生に聞いたら…
結婚したいと言うのは本気だけど
でも自分には別に趣味や娯楽が
有るワケじゃ無いから、そこで
タバコやお酒をキッパリ止める、
って言うのは、なんだか、やっぱり
無理だと思うし止める自信も無い…
って言われたらしいのよね…
そこで、その生徒の方も…
それじゃぁ、一層の事、給料の方を
ナントカすればいいんじゃないか…?
って考える事にしたのよ…」

「え?…ソレって…もしかして…
まさか、もっと給料のイイ所へ
転職するとか…?」

「いや、違うのよ…それがサぁ…
なんと、校長先生の所に行って、
もっと給料を上げて欲しいって
交渉すればいいって事になって、
しかも…ソレはいい考えだって
卯月先生自身も本当に納得は
したんだケドね…
でもサ、そしたら急に…なんか、
その生徒がイキナリ
『あ、やっぱり…ソレは止めた!
完全に中止、中止!
校長先生の所に交渉に行くなんて
絶対に無しね!』
って言い出したのよ…」

「はぁ?…な、なんでよ?
だってサ、とにかくソレが
一番いい方法じゃないねぇ?
だって結婚しても給料が上がれば
卯月だってタバコもお酒も
ワザワザ無理してまで
止める必要は無いんだから…!」

「そうなのよね…でも…なんか、
その生徒は、とっさに
卯月先生が何を考えてるのか
分かるみたいでサ…
『卯月先生が校長先生の
所へ行っても給料を上げて貰う
交渉なんか絶対に自分からは
出来無いだろうし…
大体、どうやって校長に言えば
いいのかも分から無いだろうから…
多分、先生は私の名前を
イキナリ出して、自分の給料が
安いから、もっとちゃんと
上げて貰った方がいいと
その生徒から言われた…
なんて、どうせ校長には、そう
言うつもりなんでしょう!』
って、その生徒が聞いたら、
卯月先生の方も
『なんだ…全く、その通りだ…
よく分かったなぁ…お前!』
って、なんだか嬉しそうに
答えたんだって…!」

「あらま…なんだ、それじゃぁ、
図星だったってワケだ…
いや、でもサ…その生徒も
ホント危なかったねぇ…?
だってサ、卯月から校長に
そんな事言われちゃったら
それこそ大変だモンね…!」

「そうなのよ…それでサ、結局
またしてもコレじゃダメだって、
事になって、また2人して、
まるでコントのオチみたいに
大笑いしたらしいのよ…
そしたら、またお腹がよじれる
ほど可笑しくて、ソファの上から
笑い転げそうだって言いながら
2人で喜んでたんだって…!」

「へぇ〜…なんだ、理奈子…!
それじゃぁ…卯月先生は結局、
その生徒との結婚はやっぱり
諦めたって事なのね…」

そう言うと
なんだか私自身も些か
残念な気持ちになって居り
段々と、その話しの内容に
惹き込まれながら次第に
その生徒と卯月先生との
不思議な関係性自体には
寧ろ微笑ましい様な感じが
して居たのでした。



続く…





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