首都圏の自治体や交通事業者の間で、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など、新しい技術を

使った環境に優しい車の実証実験が広がっている。

現状では充電や燃料補充のインフラが手薄という難点はあるが、バスなどの公共交通や短時間

利用のカーシェアリングを想定、使い勝手を探り、普及につなげる。


川崎鶴見臨港バス(川崎市)は、2014年度中に川崎駅周辺でEVバスを走らせる。

川崎駅と川崎市立川崎病院を結ぶ巡回路線2.4㎞に1台導入する。

フル充電すれば5周走ることができる。

「通院する人い優しい排ガスを出さないバスを普及させたい」(同社)という。


横浜市は市営バスにFCVを導入するための調査を始める。

導入した場合の性能などを試作車を使って試したい考えで、自動車メーカーに協力を要請している。

市の担当者は「FCVバスが市販された後の17年度くらに本格導入したい」と話す。


さいたま市はホンダから借り受けている超小型EV「エムシー・ベータ」を使った実証実験を実施中だ。

7月、超小型EVを2台から11台と大幅に増やし、8月から市民向けのモニター貸し出しを開始した。

市内のホテルや区役所に置き、利用者に使い勝手を聞く。

秋には大宮駅周辺に9台を配備しカーシェアリングを始める。

高齢者や子育て中の母親などの近距離の交通手段として利用できるとみている。


環境に優しいバイクも登場した。

自動車車体開発のベンチャーのE・ミニモ(神奈川県藤沢市)は相鉄ホールディングスと組み、

29日まで電気バイクの実証実験を行う。

相鉄HDが相鉄いずみ野線の緑園都市駅と弥生台駅の周辺で手掛けているパトロール事業で活用する。

坂道や狭い道の多い地域での使い勝手や耐久性などを検証し、今年度中の量産化につなげる。


電気自動車や燃料電池車は二酸化炭素(CO2)を排出しない利点がある一方、関連インフラの整備

が進んでいないことから走行可能な範囲が限られていた。


1都3県の充電施設数(補助金交付ベース、急速・普通の合計)は1223(2012年度末現在)で、

給油所数の2割にとどます。


そんな中、企業や自治体が設備を集中的に整備する例も出始めた。

東京ミッドタウン(東京・港)は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の充電器を

125台整備する。

施設を管理する三井不動産NECが12月に設置。来訪者向けにサービスを提供する。


千葉県船橋市は6月、公用車として三菱自動車「アイ・ミーブ」を一台導入した際に、市役所に

充電器を設置した。


充電設備の利便性の向上も課題だ。

三井ホーム柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)の実証実験住宅にケーブルを必要としない

ワイヤレスの給電設備を導入している。


燃料電池を巡っては、東京都が「水素社会の実現に向けた戦略会議」を設置。

20年の東京五輪を念頭に、インフラ設備を含めた普及策を検討中だ。


(記事参考:日本経済新聞 8/28)


化学物質処理を手掛けるミヤマ(長野市、南克明社長)は金属やガラスの表面処理で発生する

廃液を利用した発電技術を開発した。

約1億6000万円をかけ、まず新潟県燕市の自社工場に導入する。

発電した電力は工場内で使う。

今後は発電効率を高め、石油化学や素材メーカーに販売する。

電力会社への売電も検討する。


開発したシステム「イオニックパワージェネレーション」は、廃液を資源化、無害化処理する際の

化学反応で生まれる熱を使う。

熱で沸点の低い代替フロンを温め、高圧の気体にしてタービンを回す。

廃液に含まれる物質の濃度に合わせ、発電に適した温度を維持し、廃熱を安全に処理する。


燕工場の新ラインの廃液処理量は1日当たり30立法メートル。

この過程で200kw時を発電できる。

発電量は廃液処理施設を動かすのに必要な電力を上回るため、余った電力を工場の他の設備で

使用したり、売電したりすることもできる。

化石燃料を燃やす場合と違い、新たに二酸化炭素(CO2)は発生しない。


環境省の調査によると2011年度に全国で排出された廃液は464万1000トン。

そのうち今回の反応熱を利用した発電に使える高濃度の廃液「特別管理産業廃棄物」は

73万6000トンある。


(記事参考: 日経産業新聞 8/25)


東芝と神戸製鉄所は蒸気で電気と温水をつくるバイナリー発電の新たな実証検証設備を稼働させた。

太陽熱とバイオマス、風力の3種類をエネルギー源とし、兵庫県の淡路島で来年3月まで検証する。

再生可能エネルギーとして太陽熱が有効であることを確かめるほか、バイナリー発電の普及にも

つなげる。


東芝が発電システム全般の管理と、太陽熱集熱装置の開発を担当する。

神鋼ははバイナリー発電機を手掛けた。

発電出力は70kwで、太陽熱集熱装置は曲面上の鏡に太陽の光を受けて熱をつくり、

特殊な油を温める。

温めた油を熱交換機に送り、蒸気をつくってバイナリー発電機に送る。

竹くずなどを燃やしたり、風力を使ったりしてできた熱による蒸気も発電に使う。


普通の太陽光発電は電力だけをつくる。

今回の太陽熱とバイナリー発電の組み合わせは、太陽の光から電気と温水がつくれ、

エネルギーを有効に活用できるとみられる。


バイナリー発電は熱源に工場排熱を使うのが一般的だ。

3つのエネルギー源を使う方式は日本初となる。

総事業費は6億8000万円で、半分は環境省の補助金で賄う。

来年3月まで実証を続け、その後も有効活用していく考えだ。


(記事参考:日経産業新聞 8/25)