花王が、シャンプーなどの主成分になる「界面活性剤」を、藻からつくり出す糸口をつかんだ。
アブラヤシなどからしかつくれず、原産地の東南アジアなどで森林伐採の問題が指摘されていた。
2020年をめどに基礎研究を終え、商品化をめざす。
9日、札幌市で開かれた油脂関連の学会で、花王が発表した。
界面活性剤は汚れを落とす働きを持ち、かつては石油からつくられていた。
その後、アブラヤシの種から取れる「パーム核油」などを原料にする天然成分が主流となった。
ただ、食料であるヤシを使うことや、ヤシ畑を増やすために森林伐採が繰り返されていることが
問題にもなっていた。
界面活性剤をつくるもとは、「中鎖脂肪酸」と呼ばれる物質だ。
花王は約1200種の海藻を調べ、パーム核油と構造が似た中鎖脂肪酸を持つ2種類の藻を
見つけ出した。
今後は、藻を大量に増殖したり、藻から効率的に成分を取り出す研究を進めたりして、安くたくさん
つくれる方法を模索する。
花王は、「これまでも石油系から天然系への原料転換を進めてきたが、さらに非食品系にシフト
されることで、社会のサスティナビリティー(持続可能性)を高めたい」(広報)としている。
(記事参考:朝日新聞 9/10)