凸版印刷は18日、バイオマスポリエチレンを使用した紙カップを開発したと発表した。

紙コップの内外面に水などがしみ出さないようにするフィルムを石油由来から植物由来に変えた。

飲料・食品メーカー向けに2015年1月に発売する。


飲料やデザートなどを入れる容器に活用する。

紙カップは中の液体を長期間洩らさないため、ポリエチレンのフィルムが紙と張り合わされている。

石油由来と同じように成型できる技術をバイオマス素材で確立し、シール性能も同等の性能を保持する。


価格は石油由来のフィルムを使った製品と比べると数%高くなる。

今後はバイオマスPEを使っても価格が同等になるよう研究開発を進める。

凸版印刷はバイオマスプラスチックスを使用した製品「バイオアクス」を拡充しており、17年3月期に

120億円の売り上げを目指す。


(記事参考: 日経産業新聞 9/19)


東京都内を地盤とする日の丸リムジン(東京・文京)は10月上旬から、米テスラ・モーター製の

電気自動車(EV)をハイヤーに導入する。

EVを使ったハイヤーサービスは国内初という。

走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しないメリットを売り物に、環境意識の高い企業経営者らの

需要を取り込む。


テスラが今月8日に日本で納車を始めた高級EVセダン「モデルS」を使い、EVハイヤーサービス

「ゼロリムジン」を始める。

すでに5台を発注済みで、時間貸しや月極め契約のほか観光客向けのハイヤーサービスも始める。


車内にはタブレット(多機能携帯端末)を標準装備し、無線LANでインターネットに接続できる。

ハイヤーの料金は排気量によって異なり、一般的なガソリン車の場合最初の1時間が6350円。

その後は30分ごとに2890円の追加料金がかかる。

EVは排気量がゼロのため、この料金から1割割り引く予定。


日の丸リムジンは2010年に都内で初めてEVを使ったタクシーサービス「ゼロタクシー」を始まるなど、

EVの導入に積極的だ。

東京五輪が開催される20年には保有する約630台のハイヤー・タクシーのうち約100台をEVに

切り替える方針だ。


(記事参考: 日経産業新聞 9/19)


清水建設は工事期間中の夜間照明が生態系に与える影響を評価するシステムを開発した。

使う照明の種類や形状、数、工事期間、周囲の環境などから死んでしまう虫の量を予測した上で

蛇や猛きん類などの餌がどの程度不足するかを計算する。

周囲に保護すべき野生動物がいるダムやドンネル工事で活用し、工事受注につなげる。


システムでまず工事期間、周辺環境が森か水田かを入力し、保護すべき生物をクマタカなどの

猛きん類や両生類のサンショウウオなどから選ぶ。

さらに工事で使う照明の種類を選択する。

照明には水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)などがある。

価格は水銀灯が最も安く、ナトリウム灯が約20倍、LEDは約30倍程度だ。


それぞれ何割ずつ組み合わせるかなどを決めると、照明にかかるコストと、環境への影響の指標

が示される。

指標が1以上になった場合、保護すべき生物に対して餌の不足が発生する。


計算はこれまでの生態系の調査データもあわせて使う。

例えば、工事現場近くにクマタカがいる場合、クマタカの餌のうち4割が蛇、その蛇の餌うち半分が

カエル、カエルの餌のうち照明に引き寄せられる昆虫が何割といった具合だ。

さらに工事期間中に照明のせいで死ぬ虫の総重量を照明の種類や周辺環境から推定する。


清水建設は今後入札などの際にシステムを利用し、生態系に影響がなく、費用を抑えた工事照明

の提案で受注獲得を狙う。

虫は照明の明るさに吸い寄せられ、方向感覚を失って死んでしまう。

水銀灯は多くの紫外線を出す。

虫の中には紫外線を可視光よりはっきり見る種類が多く、水銀灯にはたくさんの虫が集まる。


(記事参考:日経産業新聞 9/18)