ローソンは二酸化炭素(CO2)を冷媒に使う冷凍冷蔵機を2015年度以降、年間1000店に導入する。

まず店頭のショーケースで標準化し、順次開業する全店舗に置く。

来年2月末までに全国400~500店に設置する計画で、温暖化への影響を抑えるため代替フロン

からの入れ替えを率先する。


冷凍冷蔵機は熱を室外に排出するために冷媒を使う。

従来の冷媒用指定フロン「HCFC」はオゾン層の破壊につながるため、先進国では20年までに全廃

することが決まっている。

現在は別の代替フロン「HFC」への入れ替えが進んでいるが、ローソンは代替フロンも地球温暖化へ

影響が大きいため、自然冷媒である二酸化炭素冷媒の導入をいち早く進める。


冷凍冷蔵システムはパナソニックが開発した。

冷蔵のショーケースやデザートケース、冷凍のショーケースで活用する。

これらショーケースの電力消費量は店舗全体の約4割を占めている。

二酸化炭素冷媒に変えると消費電力は約10%削減できるという。

温暖化ガスの排出量もCO2換算で1店舗当たり従来の年間58トンから28トンへ半減できると試算

している。


一般的に二酸化炭素冷媒は室外の気温が高いと省エネ効果が得にくいといわれるが、

沖縄県での実証試験ではCO2削減と省エネ効果が得られたことから、全国に導入を広げる。


一方で、二酸化炭素冷媒は従来の冷媒より高圧で使用するため、専門技術が必要になる。

このためローソンはパナソニックと組んで全国の工事会社で講習会を開き技術者を育成する。


導入には配管を厚くする必要があることなどから設置コストは従来比約1.5倍になる。

14年度から16年度までは環境省が費用の約1/3を補助する。

ローソンでは来年ぢ高年間約1000店舗での導入と技術者養成を進め、16年度までにコストを

従来品と同程度まで下げる。


15年度以降は、コスト状況を見ながら、既存店の冷凍冷蔵システムも更新する計画だ。


(記事参考:日経産業新聞 9/24)


環境省は22日までに、稲作に使われる農薬が、トンボの生態に与える影響について初の実態調査に

乗り出した。

赤トンボの代表種「アキアカネ」が激減するなか、国が生態系を測る指標ともいえるトンボの生息数の

変化を重要視した形だ。

「田園を舞う秋の風景を取り戻したい」。住民たちによる保護活動も各地で活発になっている。


環境省による調査は9月、農業用水が田畑から流れ込む全国7ヵ所の湖や池などで始まった。

特定の農薬の残留状況とトンボの生息数との関係性を調べる。

ミツバチなどへの影響が指摘されるネオニコチノイド系や、ノミなどの駆除に使う殺虫成分「フィプロニル」

を含んだ計8種類を調査対象とした。


調査期間は来年3月までで、各地の河川の水中農薬量も試算、トンボが農薬の影響を受けやすい

地域を割り出す。

農薬が原因でトンボの生息数が減っていると確認できれば、環境省は「農林水産省や農薬メーカー

などと、対策を協議していく」(農薬環境管理室)。


環境省が調査に乗り出した背景には、多くの専門家の間で「トンボの生息数に農薬が深く関わっている」

との指摘が根強いことがある。

生息数の激減が目立つのが、アカトンボの代表種であるアキアカネだ。


石川県立大の上田哲行教授(動物生態学)の試算では、アキアカネの減少は1990年代後半、

西日本を中心に顕著になった。

北陸地方では回復傾向もみられるが、2009年の生息数は、半数以上の府県で90年時点の0.1%

までに減った。


アキアカネの減少傾向は、作付け前に稲の苗に浸透させる農薬「箱処理剤」のうち、フィプロニルなど

の成分を含んだ製品の普及状況と重なり、上田教授は「(トンボの幼虫の)ヤゴの羽化率が低下する

実験結果もある」と指摘する。


童話「赤とんぼ」の舞台、兵庫県たつの市でもアキアカネが急速に減った。

地元住民らでつくるNPO法人「たつの・赤トンボを増やそう会」は昨年から、24世帯の農家とともに、

農薬がアキアカネに与える影響を調べ始めた。


水田にヤゴと卵を放流し、農薬ごとの羽化率を調べた結果、フィプロニルなどを含んだ農薬が

使われた水田では、大部分が羽化していなかった。

今年5月からは影響の少なかった農薬を中心にした栽培に取り組み、地元農家の青木勝喜さん(71)

は「安全な米作りの技術を確立し、トンボが育つ水田を広げたい」と話す。


一方、他地域に比べ、こうした農薬が普及しなかった福井県勝山市はアキアカネの激減を免れた。

同市の住民らは11年から生息状況を調査し、市も地元JAに生息数に影響を与えかねない農薬を

推奨品に選ばないように求めている。


調査・保護活動をサポートする同市の前園泰徳・環境保全推進コーディネーターは「身近な生きもの

が他の地域にはいないことの大切さを皆が感じ、環境保護の意識も高まった」と話している。


(記事参考: 日本経済新聞 9/23)



大日本印刷は東邦がす、西部ガスと共同で省エネルギー診断システムを開発した。

ダブレット(多機能携帯端末)を使い、各家庭の水道光熱費が簡単に比較できる。

省エネ機能を取り付けた場合のシュミレーションも数値化できる。

大日本印刷ではガス会社の営業活動向けに販売する。


同システムは月額基本料が15万円(税別)で、利用者10人で月額8万円(税別)かかる。

使う人数が10人増えるごとに月額7万円(税別)を追加する。


初期費用は30万円(税別)からで、ガス会社が扱っている省エネ機器などの設定をシステムに

組み込む費用が別途必要になる。


診断メニューは3種類ある。

水道光熱費が一般家庭と比較できる。

過程の風呂場やキッチンを実際に見て、省エネ給湯機などが入ると光熱費や二酸化炭素(CO2)

排出量がどう変わるかをその場で予測する。

機器の導入を考えている顧客に後日、掃除のしやすさや住みやすさの変換を試算した結果を

送付する機能だ。


(記事参考:日経産業新聞B9/22)