ソフトバンクモバイルは10月、奈良県明日香村などで観光客向けに小型電気自動車(EV)の

レンタルを始める。

観光用アプリ(応用ソフト)が入ったタブレット(多機能携帯端末)を搭載。

通信機能を使い、観光地に着くと音声ガイドが自動で流れる。

EVと通信を組み合わせた新規事業として普及を狙う。


サービス名は「MICHIMO(ミチモ)」で財団法人の明日香村地域振興公社、同村などと運営する。

EVは日産自動車製の2人乗りで、10月中に9台用意し、来週までに約20台まで増やす。

利用者は専用サイトで予約・カード決済し近鉄飛鳥駅前の拠点で車を借りる。

料金は充電代込みで1日8000円(税別)。


独自の観光案内アプリやカーナビゲーション機能が入った米アップルの「iPadミニ」を搭載する。

近距離通信「iBeacon(アイビーコン)」を活用し、高松塚古墳やキトラ古墳など観光地に着くと、

端末から音声ガイドが流れるサービスも来春に始める。


(記事参考: 日本経済新聞 10/1)

積水化学工業は薄くて折り曲げやすいフィルム型の新世代太陽電池を来年発表する。

弱い光でもエネルギー変換効率が落ちない。

室内の壁や天井などに貼って活用できるほか、かばんなど身の回りの品とも組み合わせやすい。

室内や日陰でも使える製品として建材メーカーなどに売り込む。

自社の住宅事業でも採用を検討する。


開発したのは「色素増感型」と呼ぶ太陽電池。

光が当たると電子を発生する色素を使う。

高温で加工する工程が要らないので透明樹脂だけで作れ、折り曲げやすい。

屋内照明でも発電できる。


エネルギー変換率は9.1%と実用レベルを達成。従来は8%だった。

材料の工夫などで引き上げた。今後の改良で20%超の実現を目指す。


色素増感型はほかに、ガラス基板を使うタイプもあり効率も10%を超える。

しかし、自在に曲げるのは難しく普及のネックになっていた。


(記事参考: 日本経済新聞 9/29夕刊)

大阪市は市営鉄道の送電線設備を使い、電力を送る実証実験を11月から始める。

電力会社の送電線網を介さず、自家発電設備と周辺施設を結び、電力を供給する。

鉄道の送電線を使って電力を送るのは全国でも珍しい。

実用化すれば、再生可能エネルギーなど特定の電源で発電した電力のみが購入できるなど、

新しい電力サービスが普及する可能性もある。


実験は大阪市立大学が協力し、咲洲地区(大阪市)を走る市営ニュートラム(新交通システム)

のコスモスクエア駅とトレードセンター前駅の間で行う。

既存の鉄道用送電線を使うのは法律上難しいため、実験用の送電線を線路上に設備する。


10~50kw級の小型自家発電機と、離れた場所にある駅舎を電線でつなぎ、ポンプなどを動かす。

送る電気は特殊な信号を発信するようにし、発電時の電気が駅舎まで流れていることを確認する。


鉄道の運行に支障なく電力を送れることを確認できれば、都心部を走る市営地下鉄でも同様の

実験をする考え。

将来は鉄道の軌道上にある電線を使った沿線への送電に乗り出すことも検討する。


企業の間には、企業イメージを高めるために「風力発電の電気だけを使いたい」といったニーズが

あるが、電力会社の送配電網はあらゆる電源で作られた電気が集まるため対応できなかった。

大阪市の取り組みが実用化すれば、新電力会社が風力で発電した電力のみを希望する企業に

送るなど、需要者の要望に合ったサービスを展開できるようになる。


(記事参考: 日本経済新聞 9/26夕刊)