凸版印刷は紙製品の製造工程で出る廃棄紙をプラスチック製品の原料として、成型することができる
技術を開発した。
2015年1月から軽量スプーンやボトルキャップなどの製品を販売。
資源循環の新たな仕組みを構築しながら消費者にパイオマス(植物資源)プラスチックの利用を促す。
開発した技術ではティッシュや紙容器の製造工程で出る切れ端など廃棄紙を粉末状にして原料にし、
石油由来の原料と混ぜて成型する。
その結果石油由来の原料を最大で3割減らすことができるのが特徴だ。
これまでも紙から作るバイオマスプラスチックは存在したが、繊維が細かいなど使える紙が限られ
ていた。
こうした課題に対して凸版印刷は廃棄紙などの紙の種類に応じて成型過程の温度や圧力などを
調整できるようにした。
これまで廃棄物となっていた紙を新たな原料とすることで、廃棄物の排出量を減らせる利点もある。
二酸化炭素の排出削減にもつながる。
成型品の価格は100%石油由来のプラスチック製品と同等を実現し、耐熱性は向上するという。
凸版印刷はまず自社の製造過程で出る廃棄紙を使ってボトルキャップなどに成型して販売する。
15年度中に事業内容を広げる。
例えば洗剤など生活用品メーカーから洗剤の箱を作る際に出た廃棄紙を使って容器のキャップを
作って供給することなどを想定する。
一緒に使う包装など関連受注を含めて2016年度に約5億円の売り上げを目指す。
(記事参考:日経産業新聞 10/6)