110 ホーカー・ハリケーン

    ~WWⅡの翼から 第10回~

  救国の戦闘機・・・大英帝国のたそがれ

今も(たぶん)保存されてるハリケーンMk.Ⅰ

 

こんばんや♪

世界は with covid19の時代となり

顔パンツが新スタイルになるのでせうか?  なんかいや

 

3匹で密着してる我が家の寝子...これぞ真3密!?

 

ホーカー・ハリケーン

イギリス空軍戦闘機

 

これは多分試作機というやつだろう

排気口が楕円状の穴になってる

 

ときは第1次世界大戦が終わったあと

みんな疲れたぁ~

追い打ちをかけるようにアメリカ発「大恐慌」

 

航空自衛隊の捜索救難機U-125は珍しくイギリス製なのだ

 

アメリカ(USA)

ヤングアメリカは青春真っ只中

株価大暴落、禁酒法、アルカポネ(ギャング)

ダークな時代だったけど

大学や自動車産業、いわゆる産学を中心にぜっさん技術革新

 

これもイギリスのブリテンノーマン社が開発したアイランダー

真っ直ぐな翼に固定脚

空飛ぶな通勤バスみたいなコンセプト

チープだけど目的には合致した高性能でそこそこ売れた

 

孤立主義(鎖国?)

古臭いしがらみから新大陸へ逃げ出した若者たち

世間を斜に見て、中二病みたいなもんか? 

その影響で技術が迷走

戦闘機はヘン!なモノが多いけどな

 

ハリケーンの後継機としてタイフーンの次に開発されたテンペスト

開発に苦労してアレヤコレヤそれしてるうちに戦争が終わっちゃった

 

おフランス

ドイツの猛威に懲りたから

マジノラインという要塞線を作って安心することにした

憲法9条があるから日本は平和

念仏平和主義と同じだな・・・ちょっと違うか?

要塞があるという安心感・・・やっぱ似てる?

 

日本は戦争支援国としてがっぽり儲けてるし

相手にとって憲法第九条ってなんだろう?

マジノラインは結局フランスを護れなかったけどな

 

 

空冷エンジンに換装したテンペスト

あてにしてたエンジンがポシャっていろいろと迷走

 

 

だいにっぽん軍事革命帝国

文明開化、西洋をお手本にして身に合わぬ拡大路線

武家(軍事)政権の宿命は「貧乏」・・・

なのに見栄張って

世界「日本」化計画ぜっさん邁進中

お隣の中国でいきなりケッつまずいたけどな

 

 

機種下面の顎(冷却器)を小さくしたテンペスト

ホーカー社は

停滞からいきなり文明開化を余儀なくされ大変だったの(本文参照)

 

ドイツ

負けた代償は重く賠償金で青息吐息

ちょびヒゲはやした怪しげなオーストリア人にたぶらかされ

あっという間にナチス(ウィルス)感染

あらぬ期待に変な方向へ走り始めた

 

 

イギリスの超音速戦闘機ライトニング

 

大英帝国もしくはエゲレス

第一次世界戦争が終わりちょお厭戦気分

疲れたし、金もない

使えるものは400年でも使い倒す

石頭(がんこ)とブショウの精神

すでに世界は征し、沈まぬ太陽の国になった

あとは趣味の世界にでも没頭して余生を過ごそうか

 

デ・ハビランド コメット

世界初の4発ジェット旅客機

空も征すはずだったけど

 

ナチス・ドイツの台頭

戦争を予感したイギリスの危機管理能力は流石に超一流

発注した戦闘機がハリケーンとスピットファイア

冷静に敵の狙いを押さえている

日本じゃまだようやく国産の96式艦戦や97式戦の時代や

 

すでに旧式化しつつある技術で作られたけど

かろうじて同時代の戦闘機と肩を並べられたのは

やっぱりロールスロイスのエンジン「マーリン」のおかげもあっただろうな

 

ところがホーカー社

日本でさえっ、てゆ~か新しきもの好き

すでにセミモノコック構造に移行しつつあったのに

技術革新も設備投資も怠ってて間に合わない

仕方なく木金骨格に羽布張り構造でハリケーン

手慣れた技術と熟練工員により制作はサクサク

 

新たな設備投資や工員の訓練などにより

生産が遅れてたスピットファイア

バトル・オブ・ブリテンの頃までは

圧倒的に主力戦闘機として戦うことになった

 

信頼性の高いエンジンと優秀な無線機

すでに地上からのレーダー誘導支援を受けてドイツ機に立ち向かう

停滞と革新が入り混じっちゃうのが戦争かもしれない

 

既存の技術で手堅くといえば聞こえは良いが

要するに怠慢の言い訳に過ぎず

相手のメッサーシュミットBf-109に対しては

苦戦を免れなかった

 

胴体後半部分が羽布張りとよばれるもの

敵の銃弾は貫通して穴が空くだけとか

レーダー反射面積が小さく見つけられにくかった

とか書かれてたりもするけど

補修は大変だったし、ステルス性能など微々たるもので

旧態依然とした設計が恥ずかしかったから

とってつけた褒め殺しのようなものだな

 

 

ハリケーンといえば羽布張り

というイメージが定着してるけど

エンジン部や主翼はほとんどが金属外板になってて

羽布張りは胴体後半部くらいだ

日本人の大好きな零戦だって

エルロンや方向舵などの動翼は羽布張りなのだ

 

布といってもヘニャヘニャしてるわけじゃなく

亜麻などの頑丈な布に

ドープ(酢酸繊維素系の透明塗料)を何層にも塗ったから

実際は板みたいなものになってた

 

バトル・オブ・ブリテン以降

スピットファイアが出回ると

対地攻撃など地味な補助任務に使われた

 

今日もまた空襲警報が鳴り響き

英国民が不安げに見上げる空を

やや猫背に見えるハリケーン

楕円翼のスピットファイアが迎撃に立ち向かう

 

楕円翼が美しいスーパーマリン・スピットファイア

楕円翼は理想の翼型と言われたけど

胴体がある場合効果は微々たるものだったらしい

曲線のスピットファイアと四角いアイランダー

この対極がイギリスらしい

 

「人類の歴史の中で、かくも少数の人が、

かくも多数の人を守ったことはない。」(チャーチル首相)

(Never in the field of human conflict was so much owed by

 so many to so few.)

これを聞いたイギリス空軍パイロットの一人

マイケル中尉はこう付け加えた

「そして、かくも安月給のね・・・」

 

2019年日本に飛来したスピットファイア

動態保存の執念は日本では及びもつかない

なんちゃら遺産の登録には執念を燃やすけど

ホントに大変なのは永久に維持管理するという覚悟なのだヨ

 

トーネード・タイフーン・テンペスト

ハリケーンの後継機たち

流石にホーカー社もセミモノコックへ移行したけど

付け焼き刃でアレヤコレヤそれと問題多発

トーネードは

開発中の新エンジンがポシャって試作段階でボツ

 

ハリケーンの後継機タイフーン

ようやくセミモノコック製になったけど、急降下すると尾部がちぎれた

羽布張りの方が頑丈じゃね!???

まだ不慣れだったんだろうな

 

タイフーンもぶ厚過ぎる主翼とか

急降下から引き起こすと

胴体尾部がちぎれる! てな信頼性不足

大改造したテンペストはようやくものになりそうだったけど

スピットファイアには最後まで敵わず

エンジンを始めいろいろいじくってうちに戦争オワタ!

まあ戦闘爆撃機としてや

ジェットミサイルV-1の迎撃などで

少しは活躍できたけどね

 

 

タイフーンを洗練させてテンペスト

ハリケーン<トーネード<タイフーン<テンペストという災厄順なのか?

違います

単に強風系の名前を適当に選んだだけ

あとはサイクロンくらいかな?

 

突然ながら

プリンス・オブ・ウェールズとレパルス

野望をむき出しにした日本に対し

これで脅しとけば十分と東洋艦隊へ派遣したのが

当時世界最強といわれた戦艦と巡洋戦艦

 

なのに太平洋戦争開戦直後(12月10日)

日本海軍の双発攻撃機によりあっという間に撃沈され

世界で初めて航空機により沈められた戦艦

という不名誉に名を残すことになった(泣)

 

戦艦プリンス・オブ・ウェールズ

日本なら「聖徳太子」号か!?

 

もっとも、偵察の重要性を解っているつもりで

金もないのに

世界で一番偵察専用機を作ったりもしたけど

ほとんど肉眼が頼りだし

無線を含めインテリジェンス能力が著しく欠けてた日本

危うく取り逃がすところだったのはナイショだ

 

当時世界最強級の戦艦と呼ばれてたけど

空飛ぶ爆弾や魚雷には敵わなかった

後年武蔵や大和を含め日本の戦艦の殆どが同じ運命になった

ちなみに真珠湾で沈められた戦艦アリゾナは停泊中だったので

戦闘行動中とはみなされなかった

 

ロールスロイス・ニーン

戦後、特にアメリカとソ連(当時)がむさぼるように

ドイツ技術をあさりまくってたとき

我らが大英帝国

「あれはドイツ人によるドイツの技術」

「イギリスはイギリスとして検証せねばならぬ」

と静観あるいは無視

 

あげくに

ジェットエンジン「ニーン」のライセンスをソ連に売っちゃった

その報いは朝鮮半島上空

ドイツ技術とニーンのコピーをまとったミグ15となって現れ

まともな対抗手段をもたなかったイギリスは

大慌てすることになった

 

プリンス・オブ・ウェールズはチャーチル首相のお気に入りでもあった

帰り際、船乗り猫「ブラッキー」が挨拶に来た

 

コメット

世界初の長距離4発ジェット旅客機

世界に先駆け前途洋々だったけど

与圧に対する認識が甘く

客室窓を四角くしちゃったから角部分などに金属疲労が蓄積

旅客運航中に2度の致命的空中分解事故を起こして

ボーイングに追い越されることになった

 

コメット

窓が四角なの

丸より角の方が欠けやすいってことなの

 

E.Eライトニング

ときは超音速時代

エンジンを上下に双発するという前代未聞の配置

デルタ翼の胴体側後半部分を切落した

超後退翼みたいな主翼

マッハ2級で、カタログ性能は超一流

 

ただし、エンジン整備はむちゃくちゃめんどくさいし

燃料を積む場所がなくなって貧弱な航続距離

 

仕方なく、妊婦さんのように胴体下をポッコリと膨らませ

燃料タンクを増設

空力上なんのメリットもなく装備も面倒な

主翼上面にパイロンを付けて増槽をのっけたりまでした

 

上下配置の双発エンジンと変形デルタ翼

あっ!

燃料やミサイルはどこに積もうか???

 

なんだかな・・・

 

航続距離は短いし武装は貧弱

いつどこでどうやって使うのか

勇ましいけど先が見えてなかった

 

19世紀までに7つの海を制覇

世界中に領土を持ち太陽の沈まぬ国と豪語

そこで、自己完結しちゃったのかなぁ

 

巡洋戦艦レパルス

 

20世紀に入り

2つの世界大戦はかろうじてしのいだけど

その後は次から次へと植民地を失い

 

軍用機も

ハリアーという垂直離着陸可能な戦闘攻撃機

異端の傑作機を育てたりもしたけど

ほとんどトホホな飛行機ばかり

 

政権交代を繰り返し

もう飛行機開発はやめてミサイルで行くなんていう迷走も・・

航空技術の衰退を招いて、踏んだり蹴ったり

 

無骨なホーカータイフーンだって少しは活躍したんだぞ

 

20世紀、英国の栄光は

やんちゃで行儀の悪い天才「ビートルズ」!? 

ってことになっちゃうのか?

 

アメリカでエルビス・プレスリーにあったとき

エルビスが「君たちのレコードを全部もってるよ」って褒めたとき

ジョンは

「ぼくはあなたのレコードを一枚も持ってませんよ」

って言い放ったらしい

イギリス風ひねくれたジョークのつもりだったかもしれないけど

無礼だったな

 

ホーカー・ハリケーン

紛れもなく英国を護った戦闘機

フランスは救えなかったけど

バトル・オブ・ブリテンに間に合わせたのはさすが

ただし、停滞してた技術のツケは大きく早々に陳腐化

後継機の開発にも手間取ってしまったのは怠慢の必然だ

 

太平洋戦争初期、日本軍に鹵獲されたハリケーン

試験飛行で

「格闘性能では零戦や隼に及ばず」なんて言ってたんだろうな

ハリケーンは古い技術で可能な限り、高速性能を目指した戦闘機

零戦はそれより3年遅れで新しい技術を取り入れながら

旧式性能を求めた異能の低速格闘戦専用機

戦う土俵が違った

 

 

「奢る平家は久しからず」 

沈まぬ太陽の世界であっても

その反対側は常に夜であることを忘れた大国

 

「自分が企業に取って必要だと思った瞬間から

      企業はその男を必要としない」(古谷野栄一)

 

頂点に立ったと信じた瞬間でさえ欲望には切りがなく

それ以前に終わりは始まっている

 

ハリケーン

帝国の黄昏を予感させる暴風だったのかも知れません

 

カササギ遊戯