93 水牛と真珠 ~WWⅡの翼から 第6回~

  ブリュースター F2Fバッファロー

米海軍のブリュースター・バッファローF2A-3

バッファローの写真は「パブリックドメイン素材」を借りてます

 

瞬き一つほどの前まで

マスクをしてる人は、花粉症の人たちなどを除き

防犯カメラを避けたり顔を隠したい

やましいことのある人たちと忌み嫌われていたのに・・・

 

今年我が家の家庭菜園で採れた変わり種ミニトマト

 

今どきは

マスクをしていないと非人間に扱われちゃいそうです

日常とは

手のひらのごとく簡単に翻ってしまうものなのですね

 

なんだかでかい鼻のようにも見えますね

 

不織布及び布マスクなど

最大の効用は、保菌者が飛沫を撒き散らさないこと

 

完全に隙間をなくすことは難しく

表面に菌が付着してしまったら

脱着のとき吸い込んでしまうこともあるそうで

予防効果としては極めて限定的らしいです

 

これもなんか変?

 

COVID-19

いつ保菌者になってしまうかわからない状況下では

マスクをした方が断然良いのでしょうが

 

横から見るとこんな形

 

東京のような、ちょぉ過密社会では、予防には気休め程度

 

過信は禁物

ましてや信仰に至り

マスクをしてない人を発見して

マスク越しにつばを飛ばしまくり、3時間半くらい説教をしたり

後ろからなぐって昏倒させ、こっそりマスクをかけて立ち去る

善意の過激化だけは

全力で止めていただきたいものですね

 

           トホホの法則??

      「マスクが必要な奴ほど、マスクをしない」

 

つるバラにやってきた西洋オオマルハナバチ

特定外来生物に指定されてます

好きで来たわけじゃない! って想ってますよね、たぶん

 

 

今回は「零戦」最強のライバル 「グラマン・F4Fワイルドキャット」

のつもりで資料を再読してたんですが

製造時、ワイルドキャットのライバルとも言えた

「ブリュースター・F2Aバッファロー」を読みふけっちゃいました

 

イラストレーターが考えテストされた迷彩塗装らしい

後方にグラマンF3Fが一杯いる

彼らの後継機として採用された

 

太平洋戦争緒戦で「零戦」や「隼」にボコられ

まるで良いことがなかったのに

はるか北欧フィンランドでは

ソ連相手に祖国防衛戦に大活躍

「空の真珠」と呼ばれるほど愛されました

 

・・・ほらほら

興味が湧いてきたでしょう?

バッファローとは、本来アジアに住む水牛のこと

アメリカ産まれの水牛が真珠になる物語

 

トムキャッターズと呼ばれる海軍飛行隊に所属してたバッファロー

胴体に主脚を引っ込める方法って、この頃のアメリカの流行?

ってゆ~かグラマンの真似をしただけかな?

 

 

ブリュースター・F2Aバッファロー

アメリカ海軍艦上戦闘機

 

日本では、直径が太いと爆撃機用という摩訶不思議な範疇に入れられるが

直径1399ミリの太いエンジンをものともせず採用

中低翼にしたから脚も長くなっていろいろ大変そうだ

 

時はWWⅠとWWⅡの間

第1次世界大戦(WWⅠ)とアメリカ発大恐慌により世界は疲弊

敗戦後のビンボーに耐えかねたドイツが狂信

イタリアも負けじとファシズム化・・まるで似合ってないんですけど

日本は、欧米の見様見まねで世界日本化計画(侵略)へ突貫

そんな頃ネ

 

バッファロー以外の飛行機写真は

過去ログでボツになったものを寄せ集めてみました

岐阜基地航空祭で撮ったFST-2改

つまり戦闘攻撃機型の試作機ということだ

 

世界は、将来戦闘機に定見が持てず

各国は、懸命に未来予測をしました

膨張を目指す陸軍国ドイツはBf-109(第81話)

戦争の予感に超鋭敏なイギリスは

究極のインターセプター・スピットファイア(第84話)

 

上と同じ時期のノーマルT-2国産練習機

 

アメリカ

太平洋と大西洋に囲まれ島国と言えなくもありません

当面の危機はないと、かなりユルゆる

でも、空母はかなり早い次期に開発していたので

次期艦上戦闘機を発注

 

この期に及んで複葉の艦上戦闘機を受注していたグラマン

単葉化には大苦戦し

ブリュースター社の設計が最良として採用されました

 

府中基地に展示されてたF-1とF-104J

 

ところがブリュースター社

まだ過去の格闘戦思想を残しながらも

操縦系統はケーブル(索)ではなくプッシュプルロッド

速度によって余分な操舵力を必要としないよう

3舵にバランスタブをつけるなど

当時のアメリカの工業技術力を最大限に活用し

故・宮田豊昭さんが「心のゆとり」あるいは「戦略の目」と

感心するほど技術力は突き抜けいました  ・・・が!

 

千歳基地で空対空射撃標的「ダート」を搭載して支援任務に当たるF-1

後方は旧千歳空港にANAジャンボ

 

量産する工業力がまるで貧弱だったらしく

生産は遅れに遅れ、いつまで経っても数が揃いません

 

志あるいは野心は高かったのでしょうが

数十機程度の受注生産ならともかく

大量生産にはまるで規模が足りなかったみたいです

 

P-2J、多分岐阜基地航空祭

 

そんなこともあってか

ブリュースター社は戦後すぐに倒産しちゃってます

 

千歳基地で撮影した203飛行隊のF-104J

主翼下にロケット弾ポッドを搭載してる

 

米海軍も危いとみてグラマンに再設計を指示

それが「ワイルドキャット」

 

あっという間に手のひらは返り

バッファローはほとんど輸出に回されちゃいました

「身に合わぬは不縁のモト」???

 

戦争への暗い予感が漂いはじめ

1機でも戦闘機の欲しいイギリスやオランダあたりに輸出されました

それでも

ドイツのメッサーシュミット109にはかなわないと

アジア植民地駐留軍にまわされ

拡大中の日本軍へ睨みをきかすことになりました

日本軍を甘く見過ぎてたのね

 

WWⅡ開戦

そして我が大日本帝国

後年の

無差別焼夷弾爆撃による日本焦土化作戦から原爆投下まで

結果的に、当時のアメリカに憎悪の感情を植え付けた

無通告(だまし討ち)真珠湾奇襲で太平洋戦争に突入

 

ウェーク島攻防戦

真珠湾後の侵攻作戦

バッファローがワイルドキャットと共に防空戦

バッファローに対する米海軍パイロットの評価は

太短い胴体ゆえに「射撃安定性が悪いながら」

「特にこれといった不満はなし」

 

ところがいざ「零戦」と戦ってみたら

 「あらゆる面で劣っており

   本国へ戻して訓練機にでもするあるよろし」

あっという間に、手のひらは返りました

 

バッファローの名付け親イギリス空軍で使われたMk.1

瑛蘭で使用された陸上型バッファローはB-339と呼ばれています

クレタ島ではドイツのメッサーシュミットBf-109に対抗できず

アジアへ回され、97戦相手には善戦しましたが

「隼」には軽くひねられました

 

 

 

瑛蘭アジア植民地

本国が存亡の危機を迎えてる中

駐留軍に回す余裕などなく

中国戦線に参加してた対日アメリカ義勇軍にさえ

「P-40よりも劣っている」とされたバッファロー

隼や零戦にあっという間に駆逐されちゃいました

 

オランダ空軍で運用されたB-339バッファロー

オランダ領東インドに配備され、日本軍をなめきっていましたが

本国がドイツに占領され武器弾薬も滞り

ほとんど戦果なく消耗しちゃいました

 

 

格闘戦寄りながら零戦や隼より重いうえ

ダッシュ力もなかったからまるで太刀打ちできなかったのです

 

ちなみに「バッファロー」とは英国がつけた名で

ブリュースター社と韻を踏んでますね

イギリスって、けっこうこういうのが好きみたいです

ブリストル・ボーファイターやホーカー・ハリケーンみたいな

 

フィンランド

WWⅡ開戦のどさくさ、ソ連はバルト3国を恫喝し属国化

その要求はフィンランドにも突きつけられました

フィンランドは健気にも拒否

一部の領土を奪われながらも対抗しました

 

フィンランドで真珠となったバッファローはB-239と呼ばれました

太い割に視界の良さそうなコックピットですね

 

冬戦争から継続戦争

世界中から武器兵器をかき集め

ソ連から奪った小銃や戦闘機まで再利用して

 

そんな中にバッファロー44機がありました

 

入間基地に展示されてたT-6テキサン

 

当時アメリカはまだ中立だったので

手を代え品を代え名前も代え輸出しました

このバッファローは米海軍に納入された初期型とほぼ同じ

 

ただし、艦上機用の装備を外した分軽量化されており

シングル星型エンジンは、冬のフィンランドでも

信頼性・整備性が高く酷使に耐えました

 

同じく入間基地のS-62救難ヘリコプター

 

武装は

アメリカ自慢のブローニング12.7ミリ機関銃

初速が速く弾道性が良い上に弾丸数もたっぷりです

ちなみに半端な数字ですが0.5インチってことです

 

そして出自が艦上戦闘機ゆえ航続距離(滞空時間)も長く

ヨーロピアン戦闘機の2倍以上

 

そして当時のソ連は

スターリンの大粛清直後でどん底

軍隊も5流から3流へ立ち直りつつある頃で

ともかく対ドイツ戦への対処が急務

フィンランドへ廻せたのは寄せ集め集団

 

千歳基地航空祭に展示されたHSS-2BとF/A-18C

 

まさに頑丈強武装化した「零戦」が出現したかのように

バッファロー向きの戦場だったのです

ちなみに同じ頃、日本軍はソ連にちょっかいをだして

大惨敗を食らってます(ノモンハン)

 

約半分を失いながらも400機以上の敵機を撃墜!

キルレシオ(撃墜率)は1対20

劇的な活躍により祖国の独立を護りぬきました

 

沖縄でみたバートルとANAジャン

 

若きパイロットたちが

スピットファイアやハリケーンの乗り込みが駆け上がる

英国民が絶望と不安そしてかすかな希望の中で見上げた空

バトル・オブ・ブリテンと同じように

 

バッファローは

フィンランドの人々にとって、永遠の「空の真珠」になりました

 

単列星型空冷エンジンは信頼性が高く、頑丈でもあった

太さを気にせず強力なエンジンで太短い機体を引っ張り

高速機動での舵の重さを軽減するため全翼に可動タブを装備

零戦とは似て非なるコンセプトなのだ

 

 

・・とはいえ、太短い胴体ゆえに

「空飛ぶビヤ樽」

あるいは当時の国防大臣になぞらえ

「○▲◎※▽の尻」などという愛称も与えられています・・!

「ケツ」!って♪ 

ふくよかな希望に満ちた?おしりだったんでしょうね!?

 

米空軍のF-15C

最新型がまだ製造されまだまだ寿命は伸びそうだ

千歳基地にて

 

時系列で言えば

WWⅡ初戦で「空の真珠」

継続戦争後半では

フィンランドはなりふり構わずドイツと手を組み

Bf-109を受領したので

さすがの「真珠」も出番はありませんでした

 

つまり、太平戦争突入時にはすでに旧式化

「零戦」や「隼」の格好の餌食となってしまったのでした

 

千歳基地航空祭に飛来したF-16C

 

想い

ブリュースター・バッファロー

「零戦」よりちょっと古く

ほぼ同じように過去の軽戦思想を引きずっています

 

冬の千歳空港オープンスポットにいた貨物機

DC-8とB747

 

しかし

「零戦」や「隼」の最大のライバルが過去の戦闘機だったのに対し

それでもバッファローの目は、未来を向いていました

 

隣の庭に降り立ったカササギ

白黒パンダかペンギン塗装?と想ってたけど

青がス・テ・キ♪

 

 

相手を見くびった太平洋で

バッファローは一敗地に塗れました

見下すことは容易です

 

うちの庭の小木に移動

 

しかし

軽快、頑丈、強武装な機体は

北欧の空で祖国を護りぬき

真珠と呼ばれるほど愛された戦闘機だったのです

 

アパートの屋根に移動したカササギちゃん

たぶんこの辺りで営巣している

 

評価とは相対的なものです

必要な時必要な場所にいて

勝ち残ったものが英雄になります

 

 「戦闘機の優劣は戦場と時期にしか存在しない」

          (故・宮田豊昭氏「透視図探検」による。以下同じ)

 

ユダヤ・キリスト・イスラムあるいは仏教

他宗教を一切認めず

死後の極楽(天国)を願う単一神男尊女卑思想

 

過去を神格化し変わろうとしない武士たち

末裔の”政治家もどき”選挙屋さんたち

あるいはそれらにすり寄る偏差値優秀で無能な高級官僚

共通してるのは

 

 「何事も絶対化して、時系列を空洞化させてしまう」

 

 「相対化する意識を欠如した時、国を過つような事態に陥る」

 

日常とは、簡単に翻るものなのです

そのことを忘れてはいけないと想います

 

何でも良いけど

このブレスレットいけてると想わない?