43 ヒューイコブラ
陸上自衛隊が運用するヒューイコブラ
ベル AH-1S
攻撃ヘリコプター
「ヒューイコブラ」
ホバリング・タクシーするコブラ
スキッド(車輪がない)ヘリはこれが唯一の自走手段
ホバリングするにはかなりのパワーが必要
ローレンス・ベル氏
あちこちで修業
第2次世界大戦の直前(昭和10年頃)に独立
新興の航空機製造会社
若さゆえ、もしくはまともじゃ老舗に対抗できない
あるいはちょっと変な人?
手前はヒューズ(旧)社のOH-6D観測ヘリ
観測ヘリと攻撃ヘリの組み合わせが戦場の基本
P-39 エアラコブラ
レシプロ戦闘機
なんと液冷エンジンを胴体中央に装備
つまりミッドシップ
延長軸で前面のプロペラを回す
そして機種の空いた空間に主脚を装備して米国初の前輪式
キャノピーはスマートな涙滴型ながら乗降は自動車のようなドア
先鋭にしてちょっと変 かなり変
20ミリ・ガトリングガンとロケット砲にTOWランチャーという基本兵装
胴体幅は1mに満たないという
試作機は排気タービンをつけかなり高速
ところが要求したはずの陸軍はつれない
低高度用エンジンに換えられてあれやこれやそれ
重くなって平凡
第2次世界大戦緒戦で大変なイギリスでさえ「いらない」
最大速度は240km/h 航続距離は450kmくらい
これが翼を持つ飛行機との決定的なハンデ
垂直離着陸のため多くのことをあきらめた
それならばと
飛べれば何でも欲しいロシアへ送ったら大正解
当時、ロシアは大陸軍国 飛行機はその支援
中低高度での作戦がほとんどで
ドイツのBf-109でさえ手を焼いたらしい
前席はガナー(攻撃要員)でパイロットではない
陸自ではパイロット(の資格を持ってる人)が乗ってっるらしいけど
ああ ややこしい
日本軍のパイロットは「カツオブシ」と呼んで侮ったけど
同じものを作れと言われたら日本ではムリな技術がテンコ盛り
アップデート型は「キングコブラ」
同じくロシアに輸出されて活躍した
エアラコメット
アメリカ史上初のジェト戦闘機
コメットならわざわざエアをつけなくても良さそうだけど
ベル社製ですよ~ってことだね
ローターは常に上に向かって推力と揚力を発生させてるから
頭を下げるのは「これから前進しまっせ!」っていうこと
性能はレシプロ機より劣ってた ダメじゃん!
だから少数しか買ってもらえなかったけど
サイドエアインテーク方式をとり
現代のジェット戦闘機に近い設計思想
攻撃専用に特化したため全身これ兵器のかたまりみたいになってる
ある意味
メッサーシュミットMe262やF-86などよりも進歩的だった
ターボシャフトエンジンも基本はジェットエンジンと同じ
テイルローターは強烈な反力を押さえるため
ベル47ヘリコプター
発想は進歩的だけど性能がイマイチ・ニイ・サンのベルちゃん
新しい設計者を得てやっぱり変な方向へ
TOWとは有線誘導の対戦車ミサイル
コブラの猛毒に匹敵する
水平飛行で音速を突破したロケット実験機「X-1」
そしてヘリコプター
「47」が大成功
実はこの頃、ベルちゃんはもう亡くなってたんだけどね
後席が操縦手
ヒューイ
ベル204シリーズ
「47」に続く大ヒット
アメリカ陸軍に採用されたものはHU-1と呼ばれた
この「1」を「I(アイ)」に読み替えて「ヒューイ」
正式名称は「イロコイ」 北米アメリカ大陸先住民の部族名
このように公式名の他にニックネームを持つ機体ってけっこう多い
愛されたものの他に、ダメ出しされたものもあるけどな
HU-1
ヘリコプターを空中に浮かばせるためにはコレだけのローターの長さが必要
日本の地面近くを飛ぶ軍用ヘリコの迷彩塗装
先住民若しくは原住民
インディアンまたはネイティブ・アメリカンとも呼ばれてる
アパッチ・チェロキー・スー・イロコイなどなどなど
いろんな部族に分かれてあれやこれやそれ
とても平和に暮らしていたとは言いかねるけど
ヨーロッパ白人移民に侵略されて大虐殺
もとより「インド人」でもないし「アメリカ人」でもない
なんだかムッチャ理不尽だな
平坦地以外に降りられるヘリコは荷重が分散されるスキッドが主流
最近はパワーアップに伴う重量増で車輪タイプも増えてる
スキッドは過荷重だと股裂きに匹敵する負荷らしい
でも「俺達はインディアンと呼ばれ白人と戦った」
だから「インディアン」という名に誇りを持っている
「ネイティブ・アメリカンなどと呼ばれたくいない」
そんな人たちもいてカオス
攻撃ヘリ
ヘリコプターは前作第42話でも書いたとおり
「高く」「遠く」「速く」飛べない
飛行機が鳥類だとするとヘリコプターは「トンボ」かな(?)
それでも進化の過程で凶暴な武装ヘリが登場
攻撃専用に特化して「ヒューイコブラ」
原型はHU-1
牛も豚も喰らい、炭水化物にファストフードも大好き
ところが大減量に成功して2人乗り うらやましいな
前席がガナー(銃手) 後席がパイロット
地上すれすれを飛びながら身を隠し、コブラの如くフワリと上昇
20ミリあるいは30ミリチェインガン
ロケット弾あるいはミサイルを戦車に叩き込む
常に地上軍と共に 常在戦場
ヘビ好きなヒトは奥ゆかしい人が多いような気がする
「ねえねぇ、僕のスネ~子ちゃん見るぅ❤」
なんて絶対いわない
もちろんスマホには写真が一杯あるんだけどネ
発想に技術が伴わなかった時代を経て
飛行に制約は多いけれど
地面に近いヘリコプターに転化して開花
AH-1シリーズはまだアップデートされていて
アメリカ海兵隊のAH-1Wスーパーコブラ(キングコブラじゃない!?)
AH-1Zはヴァイパー(ガラガラヘビも仲間)と呼ばれている
密林・砂漠・あるいは都会の街並み
戦争は今もどこかで...
F-16 ファイティング・ファルコン
超音速戦闘機が電子装備を満載し高速で駆け抜け
A-10 サンダーボルトⅡが山陰で支援要請を待ち
地の影に潜む鋼鉄のコブラが
鎌首をもちあげるが如く浮かび上がるとき・・・・・