【324】案山子(かかし)から学ぶこと
古武術の型や技の解釈は難しい。昔の人が考えた型の意味を、現代人が正しく理解出来るとは限らない。時代を数百年隔てれば、世の中の常識や感性も大きく変化するからだ。
畑に立てられている、藁で作った人型を案山子(かかし)と云う(最近はほぼ見られなくなった)。
案山子を見たスズメは「人がいる」と勘違いして畑に近づかなくなる・・・と云うのは現代人の解釈。昔の人は、案山子に人間の匂いが染みついた古着を着せておくと、人間の匂いに敏感なスズメが寄って来なくなる、と考えていた。
ちなみに、「かかし」の語源は「嗅がし」(=匂いを嗅がせる)なのだそう。
実際には、スズメは人型を「見て」警戒するのか?古着の匂いを「嗅いで」警戒するのか?・・・理由はともあれ、効果があれば、どちらでも良い、と云う割り切りかたもある。
武術の技も、「実際に効果があれば、術理などどうでも良い」と云う体育会系的な考え方もあろうが、「なぜ、効果があるのか」を考究していけば、より効果の高い技を工夫出来る。
技の工夫をする際、様々な要素を付加すると云うプラス手法が用いられる傾向が多い。けれども、「無駄」や「阻害要因」を取り除くマイナス手法を取ることも大切。
複雑化より単純化して効果を高める方がより好ましい。
たとえば、・・・もし、スズメが案山子の着ている古着の匂いに反応しているのであれば、わざわざ竹や藁で人型を組み立てる必要はなく、ただ、古着の布を、そのまま畑の要所にぶら下げて置けば済むはず。