日本体育大学の図書館が所蔵する「楊心流柔術伝書 四葉巻」には、「合気様」と云う絵が掲載されており、これをネットで閲覧することも出来る。以下に、アドレスのリンクを貼って置くので確認してみて下さい。

 


 この絵を見ると、両者が互いに相手の柄と襟を掴み、一種の膠着状態に陥っている。古流剣術に於ける「合気」も、元々は「互いに拮抗し、膠着状態に陥いった状態」を指し、忌むべきものとしている。

 「四葉巻」に描かれた「合気様」の絵の意味を無理矢理解釈すると、・・・

 相手と同じ戦法をとれば、膠着状態に持ち込む事が出来、勝負が決着しなくなる。つまり、相手に勝つことは出来ない代わりに、負けないで済む(=結果をドローに持ち込める)・・・と云う風になる。

 この絵は、今のところ、江戸時代の伝書に描かれた唯一の「合気」の絵であり、合気と柔術の関係性を考察する際の貴重な研究資料なのかも知れない。

・・・と思ったのだけれども、最後に「大どんでん返」待っていた。

 この伝書の発行年を確認すると、弘化5年3月23日、西暦換算だと1848年。弘化の次の元号は「嘉永」で、これは孝明天皇の代の年号。「弘化」から「嘉永」に改元されたのは、1848年2月28日。

 つまり、「弘化5年3月23日」と云う日付は、厳密に云うと存在せず、正しくは「嘉永元年3月23日」と記すべきものである。

 ここで「なぁんだ、偽伝書だったのか」と即座に決めつけるのも早急かも知れない。通信の未発達だった江戸時代に於いては、改元の知らせが届くのが遅れ、しばらくの間、旧元号を使用し続ける事例もあったからだ。

 よって、この資料が本物か偽物かを判断することは、現状、難しい。