【020】達人羽生(160624)

 着るモノや道具で技量が左右されるというのは、確かにあるかも知れないが、時間や場所や道具を選ばずに、いつでも本領を発揮出来る人が本当に凄い人。
 以前、『月刊秘伝』に将棋の羽生さんのインタビュー記事が掲載されていたが、その時の時間と場所は、確か、タイトル戦の合間の休憩時間だった。
 普通は大切なタイトル戦の合間に、集中力を途切れさせるような事はしないし出来ないのに、羽生さんは平常心でそれをやってのけた。さすがです。
 オリンピック代表に選ばれた柔道の選手が、「相手のデータがないので試合に不利」と発言していたことがある。データを分析して相手に応じた対策を立てようとする時点でもう負けている。

 「相手に合わせる」と云う事は、相手が主体であると云う事。「自分のスタイルで柔道をやる」それを貫けば主体は自分にある。
 自分のデータを相手に分析され研究されても、不利にはならない。その時は、データの裏をかけばいいだけだから、逆に、自分にとっては有利な展開となる。

 時間も場所も道具も選ばず、相手も選ばない。いつでも自身の本領を十全に発揮できる。それが理想の姿。不利な状況を逆手に取る気転も大事。