【016】「知識」は「カン」を殺す(211209)

 顔を見ただけで、その人がサイコパスであるか否かの勘(カン)が働く。サイコパスの人口比率は1%位のものだろうが、上位のスポーツ選手にはサイコパス顔がやたら多い。

 脳科学者の中野信子さんが、「まばたきが異常に少ないのがサイコパスの特徴である」と述べていた。
 そういえば、以前、「この人はほぼ間違いなくサイコパスであろう」と判断した金メダリストのK氏。当時、彼が殆どまばたきをしないことに薄気味悪さを感じたことを思い出した。

 中野さんのこの発言(=サイコパスはまばたきしない)を聞いたとたん、サイコパスか否かを判別する自身の勘(カン)が消滅してしまった。
 勘(カン)と云うものは、知識や情報に上書きされてしまうと、きれいに消滅してしまうものなのだろう。
 「殺気を感じる」とか「敵の動きを先読みする」とかの武術家の勘(カン)も、その仕組みを科学的に解明してしまうと消滅してしまう可能性がある(=「勘」が「知識」に置き換わってしまうから)。

 無意識領域で発動する「神技」に科学的・論理的分析の手を入れると、「神技」自体が物理学や生理学に取り込まれてしまい「知識」へと変質してしまう。

◎結論=「不思議なもの」は「不思議なもの」のままで、分析したり研究したりしない方が良いのかも知れない。