【003】武道×科学(200922)

 以下、「Room of Mad Scientist」より、武術関連の記事を要約・紹介。

○戦いを有利に進める為の二つの要因(①力と②スピード)について

① 1960年東京大学での実験。電気ショックによって直接運動神経を刺激し、人間がもともと持っている最大筋力を測定した結果、平均的な男性の場合、片腕だけでも約700kgの物を持ち上げられるはずなのだが、実際に、成人男性が持ち上げられる平均は65.4kg。
 筋力を限界まで発揮し続けたら、骨格や関節が耐えられないので、全力を出しているつもりでも100%の力は出していない。自身を守るために無意識が能力を抑制している。これを心理的限界(サイコロジカル・リミット)という。

②プロ野球の打者が集中力を発揮すると、投手の投げた豪速球が「止まって見える」事がある。これは脳の情報処理速度が上がる為。
 脳の情報処理速度は平時のおよそ35倍位まで上げられるそうだ。
 つまり時速150㎞の投球の速度が、歩く速さ位に感じられる、と云う事。

○稽古による技の習得についての法則=T_n = T_1 × n^(-α)

「練習のべき乗法則(Power Law of Practice)」とは・・・「同じ事を練習して速くできるようになる増加率は、総練習量の増加率による」
 毎日、1時間の稽古で、技の習得に30日掛かったとする。この技を半分の15日で習得する為には、1日2時間・・・ではなく、1日10時間の稽古が必要になる。