【001】武術と科学の相性(191231)

 『アリエナクナイ科学の教科書2』という本の冒頭に、「科学」について短く端的に解説した文章がある。それによると、科学とは「対象を観察し、法則を見つけ、制御方法を探し、そして再現性を確立すること」。

 「武術」の技は科学たり得るか?上記定義に当て嵌めて考えてみる。

①<対象を観察し>
=技を観察するだけでなく、実際に自分が技を掛けたり掛けられたりして体感する。

②<法則を見つけ>
=ナゼ技が効くのか、人体の構造や心理等からそのカラクリを解明する。

③<制御方法を探し>
=どのような時により技の効果が増すのか、どのような時に技が上手く掛からないのか試行錯誤を経て、より確実な方法を模索する。

 例えば触れずに敵を倒す「遠当ての術」。オカルトと言われる所以は再現性が確立されていないから。
 ナゼ再現性が確立されていないのか、と云うと、②法則(原理)が解明されていないので③制御方法(やり方)がワカラナイ。
 過去、オカルトとされていた現象が科学の進歩によって解明された事例は少なくない。将来、武術の神技のほとんどが科学によって解明される日が来るかも知れない。