◎剣術と体術の接点=「柄捌」

 敵に腕や柄を掴まれて刀を抜けなくなった時の技法として「柄捌(つかさばき)」というものがある。

 「柄捌」技法は柔術体系に組み込まれていることもあるし、剣術体系に組み込まれていることもある。

 大東流には「手首を掴まれたところから掛ける技」が多い。
 武田惣角が「柄捌」から着想を得て合気柔術の骨格を組み立てたのだとしたら、「合気柔術は剣術から生まれた」と云う言葉にも一定の説得力が生まれる。
 又、「柄捌」は、制約された動きで敵を制さねばならず、大東流の小さな動きに共通性が見いだせる。

 「柄捌」の参考例としては、警視流拳法の柄取、柄止、柄搦などが挙げられる(当ブログ内の「警視流拳法略解」参照の事)。
 又、『武芸全書 第一編 撃剣』(明治31年刊)では、流儀名は不明だが、柄捌の技が4つ、挿絵入りで解説されている。