【010】ホンモノとニセモノ (071002)    
     

 角川oneテーマ21という新書のシリーズで中島誠之助著『ニセモノはなぜ、人を騙すのか?』と云う本を読んだ。(著者はテレビ東京の人気番組「開運!なんでも鑑定団」に出演している鑑定士)

 本のテーマは古美術・骨董のホンモノとニセモノについて。

 著者は、長年の経験と勘で一瞬にしてホンモノとニセモノを見分けるそう。時には、箱の中から出される前に(実物を目にする前に)真贋を断定出来る事もある。

 ホンモノと云われるモノを目の前にしても何故か「しっくり来ない」ことがある。多分、ニセモノ?・・・・・これを、世間では「勘」と云う。
 ホンモノと殆ど遜色の無い完璧なニセモノを目の前にした時にはたらく「違和感」。これは理屈では説明出来ない。剣道の高段者が正確に相手の動きを予測出来るのも、経験と修行によって培われた「勘」であり、理屈では説明出来ない類の感覚だと思う。

 達人とは程遠い私達でも、この様な「勘」を日常生活で働かせている。
 顔つきや表情、声や話し方等によって、「なんとなく」相手の人柄を推測する。理由は説明出来ないけれど「なんとなく」信用出来ない・・・そういった印象を受けた場合の的中率は可成り高い。
 人の内面は顔つきや話し方に顕れる。理由は説明出来ないものの、人の「印象」は、そのままその人本人の人間性を写していることが多い。

 自身の勘の精度を上げるには、矢張り「修行」は必要。