◎民族格闘技

 「ジョージアの民族格闘技、チダオバとは?:歴史・文化的背景から検討する」(仲田直樹・三嶋康嗣・横山喬之)によれば、中央アジア地域やカフカス地域には、多くの民族格闘技が存在している、とのこと。

 ロシアのバヤゾフ、トルクメニスタンのグレーシュ、アゼルバイジャンのギュレシュ、アルメニアのカフ、カザフスタンのクレス、ムルドヴァのトリンテ、タジキスタンのグーシュチンギリ、タタールスタンのクリャシュ、ウズベキスタンのクラシュ、ヤクートのハプサガイ、トゥーバのクレーシュ、アディゲイのアドゲベナジ、バシコルトスタンのクリャシュ等の民族格闘技名が挙げられているが、似通った発音のグレーシュ・ギュレシュ・クレス・クリャシュ・クラシュ・クレーシュ・クリャシュなどは、ほぼ同一スタイルの格闘技の様な気がする(技の解説等の資料がないので断言は出来ない)。

 ジョージアの民族格闘技「チダオバ」は、ルーツや歴史が明らかではないが、サンボやブラジリアン柔術と同様に、柔道の影響を色濃く受けていることは間違いないそうだ。
 技の名称はサルマ、カウリ、ツェルリ、ゴッドジュリ等々、独特ではあるが、ほとんどの技は柔道の技と酷似しているように思える。

 ローカル・レスリングや民族格闘技に期待するのは、「未だかつて見たことも無いような奇抜な技」なのだが、期待通りの「面白い技」に御目に掛かれることは殆どない。