【058】「武術」と「本質」(190515)

 「本質的」なモノには、3つの特徴(①普遍的②不変的③単純)があると、たまたま読んだ本に書かれてあった。

 自身が稽古し、理想とする武術が「本質」から外れていないか・・・この3つの要素に照らしてみると良く判る。

①普遍性

 これは「汎用性」と言い替えた方が解り易い。「武術稽古で身に着けた身体操法が日常や他の分野にも役に立つ」と云う事。正しい姿勢を維持する為の体性感覚、余分な力を使わない合理的な動き等、日常生活や他分野への応用が効くはず。

②不変性

 「時間が経過しても変わらない」と云う事。修行が進めば、当然、技も変化して行くが、「変化」には二つある。
 一つの直線上を真っ直ぐ進みながら変わって行く事を「上達」と言う。これは、方向性が不変と云う事で問題ない。方向性が何度も変わり、迷路の様にぐちゃぐちゃになってはいけない。
 自分が正しい方向に進んでいるか否かの判断は「科学的」「合理的」に判断するよりは、先人たちの遺した書物や言葉をモノサシとした方が良い様に思う。
 科学的知見は時と共に変わるが、先人たちの経験知は現代人にとっても大いに参考になる。

③単純

 真理は常に単純である。複雑なものほど価値が安定せず後世に伝わらない。時代がかわっても単純なものほど不変。最後に残るのは単純なもの。単純なものほど実は奥が深い。