「息抜き」と云うか「気分転換」を目的として、たまに(月に一回程度?)武術とは関係のない話をしていきたいと思います。
 今回は「百物語」と「座敷童子」についてのお話し。
 
<失われた伝承 前編> 百物語

 みなさんは「百物語」と云うのを聞いたことがあるだろうか?

 「百物語」とは、100本のろうそくに火を灯し、夜中に集まった人たちが順番に恐ろしい話を披露していく。一話語り終えるごとにろうそくの灯を一つ消していき、最後の100話目を語り終えると、真っ暗になった部屋に怪異が生じると云う。

 「怪異に取り憑かれたら後悔するのに・・・」「肝試しにしても怖ろしすぎる」などと、怖がりの私は思っていたのだが、・・・民俗学者の小松和彦氏によると「百物語」についての認識は昔の人と現代人とでは違っていたらしい。

 近世に編纂された「百物語集」を調べると、百物語をした末に生じた怪異の話も併録されている。その怪異は、幽霊などの示唆で幸福・金品を得ることになったという「めでたい怪異」が意外にも多いのだそうだ(具体的には、幽霊が失せ物の場所を教えてくれる等)。

 何故、あんなもの(=百物語)をやりたがる人がいたのか?これで、疑問が解けた。