なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか / 加瀬英明・ヘンリー・S・ストーク | おっ!この本!

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私共NBS日本速読教育連盟の講師、スタッフ、そして受講生のみなさんでつくっていく、本の紹介ブログです!(毎週金曜日・定期更新)みなさんのコミュニケーションの場としてもご活用ください!





1945年8月15日 ポツダム宣言受諾(日本敗戦)
        日本軍無条件降伏
45年8月17日  インドネシア独立宣言
        これを認めないオランダとの間で独立戦争勃発(~49年12月)
1946年12月~54年8月 第一次インドシナ戦争
           ベトナム民主共和国の独立を巡ってフランスとの戦争

「植民地支配」「侵略」したとされる日本が敗戦したらそれで万々歳なのに、
日本「支配」以前に支配していたヨーロッパ諸国との間で独立戦争が勃発するのは
何故?

高校時代に素朴に抱いた疑問。

その後大学に入って調べてみると、
日本のしたことは「植民地支配」どころかヨーロッパ諸国による支配からの「解放」
でした。

例えばインドネシアでは、
公用語とされていたオランダ語や英語の使用を禁止たため
公用語としてインドネシア語が普及。
青年に軍事訓練を課した(これが後の独立戦争で役立つ)。
インドネシア人に高い地位を与えて能力と責任感を身につけさせた。

日本敗戦後、戦勝国(連合国)は、
東京裁判(正式名「極東国際軍事裁判」)で日本を「平和に対する罪」という
戦勝国が戦後つくりだした事後法で日本を裁きながら、
他方で、インドネシアやベトナムでは、またぞろ植民地支配しようと侵攻していた、
ところが日本によって政治経済軍事において力をつけた諸国は独立を掛けて戦った。

最近は、これまで「常識」とされていたことが実は戦後意図的に曲げられた
情報だったということが沢山明らかにされています。

今回ご紹介する本も、その一冊です。

筆者は外交評論家の加瀬英明氏。

日米両国の記録を用いて日米開戦に至るまで東京とワシントンで
何が起こっていたのか、時系列的に対比されています。

具体的には、
ルーズベルトが用意周到に日本を追いつめて戦争に踏み切らざるを得ないように
仕向けた、ルーズベルトは真珠湾攻撃を知っていながら秘匿して戦争に批判的な
国民世論や議会を開戦に方向転換させた、大東亜戦争(太平洋戦争)前後の
日本の歴史的功績等について書かれています。

第二部は、
ニューヨークタイムズ東京支局長等を歴任したストーク氏(訳:藤田裕行)。
ペリー来航に遡ってアメリカの日本支配への野望を分析し、
日本がアジアで果たした功績(白色人種による植民地支配の解放)について
書かれています。

戦後70年の今年。

安倍談話が村山談話や河野談話を継承するのか、
植民地支配、お詫び、等の言葉を入れるのか、
さらには、
安全保障法案を機に活発になっている憲法改正論議。
様々な問題があります。

それらを正く判断するには、まず、
大東亜戦争や日米戦争が何故起きたのか、
日本は敗戦国としてどのように占領されたのか、
過去を正確に知ることが重要だと思います。

この本は、そのきっかけになれると思いご紹介します。