しんゆりシアター『女学者たち』は

9月18日から劇場入りし

引き続き、旅の真っ最中。

より美しき宝を求めて。


立ち稽古1巡目は

積極的に笑いをとりに行く道を探し


立ち稽古2巡目は

人間心理のリアルを探して。



『女学者たち』の戯曲は

ぱっと見

構造とリズムがハッキリした喜劇調なので

軽やかに見えている分

落ち着いて探すと見えてくる人間の心理が

底なし沼のように深く感じる。


この度の上演の

この幕のこの場面では

演技の足場をどう組みましょうか。と

けっこう綿密な打ち合わせが必要なのです。




人の心に繊細に寄り添って

観客を泣かせることと


人間の生き様を客観視させて

人生を笑い飛ばすことが


同時に起こる場面が多々あって

もしかしたら

全てがそういう場面なのかもしれない。



モリエールの劇作手腕は

凄すぎて目立たないタイプの

超絶技巧なのかもしれない。


切れ味抜群の刃物みたいな

超高性能のコンピュータみたいな

肌触りのいい絹織物みたいな。



場面の完成形が少し見える度に

人生ってそういうもんだよなぁ。と

ため息をつく毎日。


でもって、その人生に対するため息が

美しい絵を見た時のため息に変わっていく


あるいは、そういうため息に変えようと

奮闘している

不思議な毎日。





演技と演出の方向性が少し違うと

途端に雰囲気が変わる場面が多いので


気が抜けない。



もっと深く、もっと確実に、もっと繊細に。

そして大胆に。


さて。私たちには

どこまで行けるだろうか。