Soki Ballet International Workshop & Showcase を振り返る前に…


まずはこのお話をしたいと思います。


「舞台に立つ価値とは何か?」


たぶん今では発表会のみならず、コンクールも毎月、毎週のように開催されているので、その価値と言うものが昔よりも低くなっている感があります。


ビデオ販売などが全くなかった昔。残るのは写真だけ。ですから舞台で踊った記憶は自分のなかにしか残っておらず、写真を眺めて遠い記憶を思い出すしかない…


たぶん今の子供たち、親御さん、大人からバレエを始めた方々からしたら、昔の状況はあり得ない事だと思います。


私の初舞台は4歳。



神奈川県立青少年センターホール



この舞台に隔年に一度だけ舞台に上がれる、と言う本当に特別な日。


緊張のあまり、朝から何も食べれず、とにかく人生を賭けた一大事件の如く、ドキドキした記憶があります。


スタジオでも、舞台稽古でも、幼稚園児だろうが、小学生だろうが怒鳴られて…しかし本番は静か(笑)


「唯一教師に怒られない時間」が本番でした。


そしてプロになる前には、それまで黙って一方的に怒鳴られていた舞台稽古で


「先生!その指示じゃわかりません!」


とはっきりモノを言えるようになり、私は海外に飛び立ちました。


絶対にプロになりたい、と思った理由は


「青少年センターホールのような舞台に毎日通って、毎日舞台で踊る生活をしたい」


と言う事。すなわち、発表会がプロへの道を決定づけた事が一番の理由でした。


そして韓国、香港、ザルツブルクでその夢が叶いました。


特にザルツブルクは劇場内に全てがあり



上手側に楽屋、下手側がスタジオだったので、毎日毎日この景色を眺めて出勤する生活。



客席で観る機会は自分が出演していなかったオペラを一回観ただけで、あとはほとんどなかったです。



舞台にいるのが当たり前、劇場に通うのも当たり前。客席側ではなく、常に舞台にいる人。


いつしか、私の「舞台に立つ価値」は楽しみから義務へと変わりました。


プロなら当たり前ですが、これをアマチュアの子供たちや大人の方に思ってほしくはないです。


舞台こそが本当に神聖な場所で、その舞台が出来上がるまでのプロセスは一生の宝物。


そしてその経験はいつ、どこで、どのようにプラスになるか、わからない。


私のようにプロになる人もいれば、舞台制作に携わる仕事に就く人もいれば、運営を統括する立場になる人もいれば、社会に出ても正々堂々と自分の思いを伝えていける大人へと成長する人もいるでしょう。


だからこそ


「たかが趣味の舞台」


ではない。実は後々振り返ってみたら、凄い事を成し遂げたんだ!と言うのがわかるはずです。


今はわからなくても…いずれわかる日が来ます。


いかに舞台が特別な空間であるか、を。


それを今後も子供たちには伝えていきたいと思います。


左右木健一