ベルリン国立バレエ団のプリンシパル、ヤーナ・サレンコ。
彼女の身長は158cm。
バレエ界では「小柄」と言われるかもしれません。
けれど、彼女の生き方はそんな数字に縛られず、自分自身の可能性をまっすぐに信じ抜いたものです。
彼女は、母親からこう言われていました。
「バレエは趣味でしょ?」
「仕事になるわけないじゃない」
それでも彼女は、揺るがなかった。
サポートがなくても、環境が整っていなくても、自分自身の軸を信じて進み続け、プロの舞台へと辿り着いたのです。
これはまさに「他人に流されず、自分軸を貫いた人の物語」です。
私が20代だった頃、今のようにSNSもなければ、気軽に海外オーディション情報を得られる時代ではありませんでした。
メールすら存在しておらず、手がかりはバレエ雑誌の巻末に載っている劇場の住所くらい。
当時はエアメールで文通をしていました。返信まで1〜2週間はかかる時代。国際電話なんて高くてとても使えませんでした。
そんな中で出回っていたのが「海外オーディション攻略小冊子」みたいな本。
ですが…中身は、正直言ってかなり信憑性に欠けるものでした(笑)
私は身長174cmですが、ザルツブルク州立劇場に在籍していた頃、団員はほとんどが私より背が低く、バレエマスターが186cmくらいありましたが、ダンサーたちは私が一番背が高いほうでした。
にも関わらず、その小冊子にはこう書かれていました。
「ザルツブルク州立劇場は180cm以上のダンサーばかりで、小柄だと不採用になる」
……いやいや、全然違います(笑)
現地の仲間たちとその本を見て大笑いしました。
右に私がいますが、私より身長高い人、いないし。
ですから当時は、そういった「誤情報」がそこまで大きな影響力を持つことはなく、みんな自分の直感と足で確かめに行っていました。
一方で今は、SNSがあり、発信力のある人の言葉がまるで「真実」のように広がっていきます。
「身長が低いから無理」
「このバレエ団は〇〇だから受からない」
「あのバレエ学校は〇〇だと入学出来ない」
「このコンクールの入賞対策はコレ」
と、根拠が曖昧なまま「断言」される。
それを信じてバレエを辞めてしまったり、進路の可能性を自ら狭めてしまうケースもあります。
世界中のバレエ団が「背の高いダンサーだけ」を採用しているわけではありません。
ディレクターの方針で背が高すぎる女性ダンサーは採用しないというバレエ団も存在します。
だからこそ、私は問いかけたいのです。
「その情報、本当に自分の目で確かめましたか?」
現場に出向く事なく
「有名なインフルエンサーが言ってたから」
「〇〇さんが言ってたから」
「ママ友がみんなそう言ってるから」
「占い師に言われたから」
信じるのは自由です。でもその結果、進む道を他人任せにしてしまっていませんか?
もしその選択が上手くいかなかった時、その人のせいにしても、人生は戻ってきません。
このブログを書いている私の言葉ですら、あなたの100%にはなりえません。
誰かの言葉ではなく、自分の目で見て、肌で感じたことを信じる勇気を持ってほしい。
そして…
誰かに「向いてないよ」と言われたくらいで、簡単に夢を諦めてしまう人生にならないでほしい。
ヤーナ・サレンコのように。
自分自身を、最後まで信じられる人でありたいです。
左右木健一

