谷桃子バレエ団の YouTubeは時々観ていて、私も本当に「凄い!」と思っています。



私も谷桃子バレエ団系列のスタジオで幼少期から育ったので、尚子さんがリゼット主役デビューのときにちょい役で出たりもしていたので「昔の谷桃子バレエ団」は少しは知ってます。



ですから今の「谷桃子バレエ団」が本当に凄いなあ?と感心します!なかなか歴史あるバレエ団が昔のポリシーを一氣に変えるには、それ相当の勇氣や覚悟がいるはずですし。


私は自己受容コーチングを受け終わったので、様々な事に対してジャッジをしなくなりました。


チケットノルマがあろうが、なかろうが


団費があろうが、なかろうが


それで「踊れる」事に喜びがあれば、それでも良いし、それが嫌で海外に行くのも良いし、帰国しても良いし、バレエを続けようが、やめようが…何もかも


「自分の意志や価値観」


で行動すれば良くて、そこに対するジャッジは必要ないですし、誰かにコントロールされたり、戦ったり、なびいたり、非難したりされたりする必要はない…


これが私がコーチングで学んだ事でした。


私も先日、誰でも踊れるような振付を考えてくれないか?と言われて、一番簡単で、しかもくだけた感じで動画を送ったら


「敷居が高い」

「エレガントすぎる」


と言われて、改めてバレエを知らない人からしたら私たちバレエの人間の動きは「エレガント」と思われるのか?と言う氣付きがありました。


3歳からバレエの世界にいる私なら「別に当たり前と言うか、むしろおふざけモードなダンス」を踊っていても、バレエを知らない方からしたら「エレガント」に見えるのか?と…


キッズダンスやチアやヒップホップがとっつきやすくて、バレエがそうでは無いのは事実ですが、どちらが良い、悪い、ではない。ですからバレエの「エレガントさ」を無理矢理消す必要もないわけです。


私はバレエ団を運営する立場ではないので、運営側の方々の苦労は並大抵な事ではないと思います。客層を広げるための試行錯誤はある意味「妥協」にも繋がるから辛いはずです。


「バレエの本来持つ美しさ」ではなく、一般の方に広めるために違うジャンルに歩み寄っていく事も必要かも知れませんが


「本当にやりたい事は、本当に表現したい事は何だったのか?」


と自分に嘘をつくことにもなりかねないですよね。


うちの舞台もバレエを知らない方々からしたら「学芸会程度」と思って会場に来た方もいたかも知れませんが「感動して涙が止まりませんでした」と言うフィードバックも沢山頂戴しました。1000人いたら1000通りの捉え方があるので、それも昔に比べたら私もフィードバックはあまり氣にしなくなり「参考程度」にする術もコーチングで身につきました。



「バレエを広める事」「お客様に観に来ていただく事」に対する試みはもちろん必要です。


かと言って、バレエを専門とする人間がバレエ以外のダンスに無理矢理妥協して歩み寄る必要も、多分無いのではないか?と感じます。


ステーキが食べたくてステーキ屋さんに入ったお客さんが


「あ、蕎麦食べたいんだけど」


と言われたからって、無理矢理蕎麦を提供する必要はない。そしてステーキを売るためにお客様の要望ばかり聴いて肝心のステーキを最高の状態で出せなくなることは本末転倒。


「バレエはバレエである事」


に対して、誤魔化したり、変に違うジャンルに歩み寄ることをせずに


「本当にやりたい事に嘘をつかない」


と言うのをしみじみと今日は感じました。


左右木健一