昨日から審査が始まりました。審査の前にはマスタークラスやリハーサルがあり、私はDivision 1 のマスタークラスを指導しました。



私が一年間オンラインで教えていたパナマのファティマちゃんとも再会。



そして夜から結衣ちゃんのクラシカルヴァリエーションの審査。ポアントを履き始めたばかりにも関わらず、しっかりと踊っていました!



大切なりよ先生の生徒さんを、私がどのようにサポートしたら良いか、りよ先生の普段のコンクール付き添いの仕方に合わせたのですが。


とにかく「結衣ちゃんを邪魔しない」と言うりよ先生の姿に感動しました!ですから私も結衣ちゃんに必要以外の事は一切口出ししませんでした。


コンクールでついつい付き添い教師がハマる罠なのですが、場当たりで大声で怒鳴ったり、踊るぎりぎりまでお説教したり、踊り終わった後もダメ出しの連続だったり…そう言うのがりよ先生には全くなくて、子供が「助けてください」と言ってこない限りは余計な手をかけない。これは今回の海外の指導者の先生方にしても全く同じで、だいたいある程度付き添ったら


「楽しんで踊ってきてね」


と言うだけで、あとはほとんど子供まかせ。先生がイライラしていないから子供たちものんびりしていますし、むしろ日本の感覚からしたら


「あれ?今日コンクールだよね?」


みたいな感じ(笑)かと言って子供たちが遊んでいるわけではなくて、舞台裏や袖で自分の世界に入り込んでいる。


「あ!これが子供を自立させて、ベストパフォーマンスを引き出す秘訣だ!」と改めて感じました。


成功も失敗も全て踊る本人が経験するためにある事実であり、それが例えば先生の言いなりになってビクビクしながら踊り切った「成功」だとしたら子供にしてみたら「自分でやり切った実感」は無いでしょうし「失敗」したら「先生のプレッシャーに負けたから失敗した」と他人のせいにするようになるし。


しかし、その成功、失敗は全て「他人軸」です。ですから


「自分の尻は自分で拭く」のが大事。


昨年から「自分軸」「他人軸」に関して私はコーチングを受けてきましたが、マイアミの結衣ちゃん、りよ先生、海外の子供たち、指導者の先生方をみていて


「これだ!これが課題の分離、インサイドアウトだ」


と確信しました。


子供ですから、コンクール期間中は緊張や疲れで忘れ物はしてしまいます。そこを先生心(親心)で尻拭いしたり、怒ったりしがちですが、忘れ物をしたり、失敗したり、注意を忘れてベストパフォーマンスが出来なかった、と言う「経験」を味わうのは踊る本人がわかれば良いのであり、教師や親が責任を感じる必要は全くない。なぜならその「課題」を乗り越えていくチカラは自分自身で身につけていくことだから。


このような解釈の仕方は、私は自己受容コーチングを受ける前までは理解が不十分でしたが、今はよくわかります!


「脱・完璧主義」です!



コンクールで失敗しようが、忘れ物をしようが、それに対して悔しい思いをしようが、どん底に落ちようが、それが本人がこの世に生まれてきて「経験をしたかった事」なわけで、それを失敗しないようにいつまでも大人が子供の尻拭いをして「成功者であるようにみせかける」としても、いつかボロが出ますし貴重な「失敗をする経験」を奪うことになります。


今の時代は昔と違って「とりつくろっても、全部筒抜けになる時代」と言われています。現にニュースをみていても、数十年前なら黙示されていた問題があからさまに情報開示出来てしまい時代です。


だったら良い意味で「開き直り」をしていたほうが、毎日生きていて楽しいはず。コンクールで人生を左右されるのではなく、1番大事なのは参加者自身の「自分軸」がブレない事。


マイアミに来れて本当に良かったです!


左右木健一