マイアミ国際バレエコンクール 審査1日目。


朝からサプライズがあり、私は急遽レッスンを代講指導することになりました。この部門の参加者は指導する予定では無かったので、指導出来て良かったです!





審査1日目はクラシックVaでした。昨年の夏以降、私はコンクールの世界から離れていましたが、離れていたからこそ見えてくるものがありました。


まずスカラシップを進呈するにあたり、やはりレッスンを見ないとわからない部分が多々あることが明確にわかりました。


もちろん一曲Vaを見てスカラシップを進呈して、うまくいくケースもありますが


「基礎が出来てない」


と留学先で全否定されて、悩む子供たちを沢山みてきました。そして運良く就職出来た子たちは


「そんなにコンクールに出る必要はなかったかも」


と口を揃えて言います。そして


「基礎をやっておけば良かった」


と後悔していたりします。


日本では毎月のようにコンクールにエントリーしていたのが突然毎日レッスンしかなくて、華やかな衣装を着る機会なんて年に1-2回のスクールパフォーマンスくらいで、あとはひたすら舞台に立つ事もなく毎日毎日スタジオで基礎。


日本みたいに学校帰りで夜中までVaを練習するなんて海外は一切ないので、日本での生活とのギャップが激しすぎて混乱する子たちは山ほどいる話も聞きます。


「コンクールが悪い」わけではないです。メリットも沢山あります。しかし大人である指導者や親御さんは本当に冷静にならなくてはいけない時もある、と感じました。


子供は大人に「やりなさい」と言われたら、真面目な子ほど純粋に努力します。だからこそ間違った方向にいかないことが大事だと思います。


「2番踏み換えをしないで、正しく指導しなさい」

と私にアドバイスを下さったビクトリア・シュナイダー先生。



マイアミ入りが遅れた先生が


「いま私、ホテルのバーにいるから、来て!」


と誘われて審査後にずっとお話できました。


20年ほど前は私はジャパングランプリの付き添い教師でビッキーがレッスンを指導していてブチ切れている姿しかみていなかったのに(笑)今はこうやって審査を一緒に務める日が来るとは…


ビッキーがブチ切れていたのは、2番踏み換えとかポールドブラ破茶滅茶とか、バーの持ち方が間違っているとか…とにかくあの当時は今よりも「基礎が無い」と思われていました。


色々な話をビッキーとバーで話をしていて、やはり大事なのは「大人になればなるほど学ぶこと、軌道修正することが増える」と感じました。


本当にマイアミに来れてよかったです。


去年の今頃、偽陽性疑惑で11日間帰国出来ず、6日間アパホテルに隔離され、そのトラウマなどを昨年夏まで引きずっていましたが、もう大丈夫になりました。


色々な事を再度断ち切り、既に新たなスタートを切れてはいますが、更に新しい世界が広がっている感があり、本当に毎日幸せです。


左右木健一