カナン国際バレエコンクール in シンガポール。


よくよく考えたら来週の今頃は私はシンガポールにいます。


先ほどレクチャー告知が掲載されました。



主宰の Ivy は私が所属していたユニバーサルバレエ と香港バレエ に私が辞めた後に入団していたこともあり、初めて会った時からまるで旧友のような感覚でした。


表彰式で踊ったりして(笑)



日本国内に限らず、海外のコンクールも異常なくらい増えていき、しかしあまりにもコンクールが多すぎる割には、受賞者の「その後」をケアするコンクールは一部分に限られています。


そして先日「コンクールでは評価の高い子」が「Vaは踊れるかもだけど、バレエ団のコールドバレエにすら入団出来ないくらい、癖がついているから採用しなかった」という話を聞いて、もしかすると素晴らしい才能をコンクール自体が参加者の将来の可能性を潰してプロになれない事があるのか?と思い、ゾッとしました。


確かにコールドバレエに必要なのは「全体の調和」ですから、別にピルエットを10回回る必要も、脚を必要以上にあげることも、プリンシパルのように踊ることも、まして「はい、いまから180度以上脚が開くか、ストレッチを見せてください」など、オーディションでは要求されない。見られるのはバーレッスンで、そこをクリアしないとセンターまでたどりつけない…ヴァリエーションはセンターレッスンでふるい落とされ残った数人は踊るかもですが、その時間があるならバレエ団のレパートリーを踊らせると思います。


若き才能を大切に育てるはずが、ヴァリエーションがメインになってしまい、本来あるべきバレエの姿からかけはなれていき、最終的には就職できないのだ、としたら?これは由々しき問題だと、ここ最近ずっと危惧しておりました。


そんな中、今回のカナン国際バレエコンクールは審査前の二日間はヴァリエーション審査は全くなくてワークショップだけ。表彰式前日はレクチャーのみなど「ヴァリエーション審査だけ」ではないスケジュールになっています。


そして才能ある子供たちをどのように育てていけば良いか。審査員の先生方と情報交換できれば、と思います。


私自身が「コンクールでは全然評価されない」ままバレエ団のオーディションに受かった経験があるので、それも踏まえて「ヴァリエーションの出来だけでスカラシップは選ばない」ように気をつけようと思っております。



シンガポールでお会い出来るのを楽しみにしております!


左右木健一