先日のブログ


にもアップした大人のオープンクラスの方々。隔週で月に1度しか通えないような方にもわかるように「全体に対する初歩的な注意」を話するようにはしています。


個人的に注意をしなくても皆さんが私の注意を理解しようと耳を傾けて下さっている様子はわかりますか?



「この注意は私に関係ない」とか言う人が1人もいません。そして私の注意を「どのようにしたら改善出来るか」を頭をフル回転している様子が伺えますよね。


子供たちにしても同じです。これくらいの少人数ならもしかして個人的な注意が出来ますが、50名近い受講者がいるようなオープンクラスなどでは個人的な注意を全員に対して2分間つきっきりで見たとしたら一つの注意に対して100分間要する計算になりますし、教師が誰か1人ばかりみていたら、残りの49人に目は行き届きません。バレエのレッスンは個人指導以外は団体で行われるもの。そして全体に対する注意を「自分の頭で考えること」により相当頭をフル回転させているわけです。



今はわかりませんが、ロシアのバレエ学校などはあからさまにお気に入りの生徒にしか注意をしませんし、ほかの生徒をほったらかしにしている話はよくある話。


しかし、そこで


「何を注意されているんだろう?」


と自分に対しての注意ととらえるか


「私に注意してくれないから、わからない」


となるか、で道はわかれます。


残念ながら、後者の考え方ではバレエは上達しません。先ほども言ったとおりバレエレッスンは「個人指導」でない場合がほとんどだからです。


いまでこそ大人の趣味の方でも個人指導は望めば誰でも受講出来ます。しかし私が子どもの頃は、個人指導なんて何百人もいる生徒のなかから本当に選ばれた子しか受けられなかったんですよ。ですから今は本当に良い時代になりましたね。


とは言え、通常レッスンは団体ですから、年齢に関係なく、バレエを習い始めた頃から


「全体に対する注意は自分への注意」


と言う「チカラ」をつけておくと、後々それが習慣になると思います。


バレエに限らず、どの世界でも


「いま、誰かが注意されているのは、私への注意なんだ」


と考えられる人は出世している感じがします。


聞き逃さない「チカラ」と言うのは「筋力」「集中力」「理解力」と同じで、鍛えて養うものだと思います。


育った環境も、価値観も、住んでいる場所も、何もかも違う子供たちなのに、個人的に注意するわけではなく、教師の全体的な注意を守るだけでこんな風にビジュアル的には同じになる…



バレエは本当に奥が深いです!


左右木健一