プロのバレエダンサー。


必ず引退する日を迎えます。もちろん日本には60歳、70歳でも現役の方はいらっしゃいます。しかしそのような方は少数です。ヨーロッパやアメリカでは

歳を取っても現役続行の方はほとんどいなくて、だいたいがセカンドキャリアに移行します。


ですからセカンドキャリアを考えておくのは、悪いことではありません。


そのようなフォーラムが開催されますので、是非参加してみてはいかがでしょうか?



確かに「バレエで食べていけない」と世間に言われても仕方ない現状が日本にはあります。


私の場合、男性ですので「発表会ダンサー」と言う選択をすれば「食べていける」だけではなく相当に優雅な暮らしは出来ましたが、私はあえて日本を離れました。


私が10代後半から日本はバブルでしたから


「いま、日本を離れるなんて…なんで韓国とか香港にいくわけ?」


と馬鹿にされました。しかし今はどうでしょう?


知られていませんが、35年ほど前の韓国、香港のほうが、日本よりはるかに「プロダンサー」が生活しやすい環境にありましたし、私が住んでいたザルツブルクでは銀行に行くと


「あ、職業。バレエダンサー。公務員ですね」


と一目を置かれました。


学生時代に教師から散々嫌味を言われてきた私ですが…もし私と同じ苦しみを味わっている学生の方がいたら、これを見て笑ってください!



バブルで浮かれた日本での生活も経験したことが一度もないですが、高校卒業後はバレエだけで食べていますしバレエだけで土地と建物は購入しました。


私のセカンドキャリアは28歳でスタートしました。

そして完全な移行は31歳でした。セカンドキャリアと言っても「バレエ教師」ですから、とりあえず大好きなバレエだけで生活していますが…


セカンドキャリアは別にバレエで無くても良いのです。


今、世間はYAGPの受賞者たちの話題で盛り上がっていますが、それこそ歴代受賞者がセカンドキャリアを築いて、バレエ以外の仕事に就いている話はクローズアップされませんよね?


バレエに携わる仕事をするか、バレエ以外の仕事をするか…


プランB、プランCは考えるべきです。


しかし!誰かの無責任な言葉や、バレエの世界を知らないような方に進路相談をして、バレエの道を諦めないで欲しいです。


人生にいくら保険をかけても、コロナ禍と戦争のせいで明日どうなるか、わからないわけですから、保険をかけていても裏切られる可能性はあります。


ぜひ自分の可能性を信じて、前に進んで下さい!


左右木健一