私のインスタライブの質問で
「コンクールに強いお教室でなくても大丈夫?」
と言う質問が来ました。たぶんコンクールにエントリーしている子供か、お母さんからの質問だと思いますが。
そのあと、ある先生がすかさず
「どのスタジオで習うか、ではなく…誰に習うか、のほうが大事です!」
とコメントをくださいました。いいね!を100000連打したい(笑)
なぜかわかりますか?
皆さん、私が予選落ちした東京新聞のコンクールの際…1984年。いまから38年前。
いわゆるその当時「コンクールに強いお教室」というのは今現在ではコンクールにエントリーをする事もないスタジオがほとんどです。
どう言う意味か、と言うと…
「その年、その年により、コンクール審査基準が微妙に変わる」
だけではなく
「その時のスタジオで指導していた先生が誰か?」
にもよるからです。
ネームバリューで「このスタジオに行けば素晴らしい先生に習える」と考えて行っても、フタを開けたら先生方が何人もいて…と言う場合、必ずしも良い先生ばかりではないケースもあるわけです。
皆さん、幼稚園や学校の担任は選べますか?選べないですよね。そして素晴らしい先生に習っていたとしても学年が変わったらひどい先生が担任になることはありませんか?たとえネームバリューのある幼稚園や学校だとしても…
バレエ学校も同じです。いくらネームバリューのある学校に留学しても、担任が選べないのと同じ。
ですから
ネームバリューではなく「誰に習うか」と言うのが大事になるわけです。
私のケースで言えば、皆さんの言葉を借りると
「コンクールに弱いお教室」出身です。いわゆるコンクール対策が出来ていないお教室でした。
私も不安に思い、いわゆる大手バレエ団附属のバレエ学校に1人で見学に行き、移籍を考えた事もありました。
しかし見学したクラスでは、生徒は60人くらい一斉にクラスを受けていて、男の子が3人ほどいましたが遅刻してきてもダラダラしながら踊っていて、先生もそれを注意しない、と言う具合をみて
「移籍しようが何だろうが、自分が変わらないとダメだな」
と移籍を留まりました。そのかわりにバレエ団のオーディションを受けて日本を離れました。
そのバレエ団が、1985年にはまだ無名だったユニバーサルバレエ団でした。無名でしたが教師陣やゲストダンサーたちは超一流でした。
しかし無名だ、と言うだけで
「わざわざ韓国のバレエ団に行くなんて」
と散々馬鹿にされましたが、その当時日本では上演すらしていなかったバランシン作品は沢山上演していましたし、決してレベルは低くなかったです。無名でしたが(笑)
日本は「ネームバリュー」「ブランド」に弱いと言われています。それが「悪」とは言いません。
しかし全ての人々が「ネームバリューのあるスタジオ」で上達するわけではないですし、コンクールで全員受賞するわけではない事実をそろそろ理解する時期に来ているのではないでしょうか?
「誰に習うか」「誰とご縁で繋がるか」
にネームバリューは関係ない、と私は強く信じています。
左右木健一