ABTのスカウト・フォーサイスが語ってくれました!

はい、バレエは映画「ブラックスワン」みたいな世界ではないです(笑)


とは言え…


こちらは残念ながら事実です。



私も容姿については散々馬鹿にされてきました。


「大した顔してないくせに、よく人前に出れるわよね」


「手足短くて、顔も大きいのに」


「内足が治らないくせに」


「あなたのその見た目でファンなんているの?いるんだったら蓼食う虫も好き好きよね」


とか…まあ色々言われましたが、今ではあまりにも子供の頃から何十年も言われすぎて、感覚が麻痺してしまい、笑い話ですね。


バレエはビジュアルアートですから


「なんだかんだ綺麗事並べても、見た目でしょ」


みたいな誤解は沢山あります。


そしてそのような価値観のなかで育ってきた私くらい、もしくは私以上の年齢の方が現在のバレエ界において配役を決めたり、スカラシップを授与する権限があると、この世代の人たちが経てきたバレエの厳しさを元に価値判断をする可能性は大きいわけです。


「私達の頃は小学1年生からポアントを履いていたわよ。何が悪いわけ?」


「男性に失礼だから、食べないのなんて当たり前です。私だってダイエットしていました!」


「ライバルを蹴落として生き残るためには意地悪でいるくらいがちょうどいいのよ」 


「股割りだってあるんだから、ストレッチ沢山やるのが何が悪いわけ?私だってやった!人工股関節、手術すればいいのよ」


などなど…そしてその価値観で育てられた場合、次世代が「それはおかしい」と思わない限り、その伝統が受け継がれるわけです。


1日2日では、何かが劇的に変化はしないと思いますし、昔には昔の良さもありますから


「昔が全部悪い!」


とは一概には言えません。


しかし2022年の今、1970年代の公衆電話を使う人がほとんどいないように、受け継がれる伝統は進化していくべきであり、素晴らしい成果を遂げる事が可能なら、変化すべき時期に来ていると思います。


左右木健一