寺田翠さんが非常にわかりやすい動画をアップしています。ぜひご覧ください!


「メソッド」に関しては本当に難しいと言いますか…

「これが絶対正しい!」とか

「これは間違っている!」とか

同じメソッドで指導している教師陣の間でも喧嘩している話は良く聞きます。

生徒の前でお互いの意見をぶつけ合う話も…

バレエに命を賭けていて、そして学んだプライドもあるのかも知れませんが、建設的な意見交換ではなく

「あの人はワガノワメソッドじゃない!」

「あの人はチェケッティをわかってない!」

「だからダメな人!」

など、人格否定する人たちがいるのも事実。

私も色々な先生方から相談を持ちかけられますがメソッド指導に対しての相違を攻撃されたりする話も聞きます。資格を持っていらっしゃる方同士の喧嘩とかも聞きます。

しかし、バレエ界に限らず、お互いの相違に対して程よい距離を置くのではなく、むしろ攻撃する人たちはいますよね。

これは完全に「人間性の問題」になってくるので、無理をして合わせる必要もないですし、攻撃にあったら反論するのではなく、静かにその場を去り関わりを持たなくても良いかな?と思います。

バランシンがマーゴ・フォンテーンの手を「スプーンみたい」と批判して、ゲルシー・カークランドがバランシンのクラスに二度と顔を出さなくなった話は彼女の自伝に書いてありますが。

人は自分が大事にしている事を批判される事が一番傷付きますし、傷付かないように攻撃に走ります。

しかし、その怒りの矛先を意見の合わない他人に向ける時間を「自分自身の芸術性を高める」事にスマートにシフトチェンジ出来たら、どんなに素晴らしいか!


うちのスタジオは腕のポジションや身体の方向の数字はワガノワメソッドで統一していますが、ワガノワバレエ学校のように「試験で選ばれた子」でもなく「床が傾斜したスタジオ」ではないのと私自身は桜井幸子先生からワガノワメソッドを習ったとは言え、ロシアで学んだわけではないのでうちのホームページには

「ワガノワメソッドで指導しています」

とは記載していません。

コンクールの審査を務めている関係上、ヌレエフ版、グリゴロービッチ版などは海外の先生方から情報を仕入れて審査していますし、ブルノンヴィルはどのように踊るべきか、なども見ていますが本当にコンクールひとつでさえメソッドがバラバラですから、それを一つにするのは不可能。

今の時代は自分が信じる道は貫き通すべきですが多様性を認めることも必要な時代なのかも知れません。

多様性を認めずに弾圧したり、攻撃を仕掛けてくる行為がいわゆる「戦争」ですから…

そして戦争はどの人をも不幸にして、誰も幸せにはなれない事は歴史で学んでいるにも関わらず、力ずくで自分と正反対の意見の人物を攻撃する行為は収まる気配はないですよね。

宗教にせよ、生活習慣にせよ、肌の色にせよ…

「これじゃなきゃダメ!」

と弾圧するのではなく、距離を置きながら認めあえる事が出来たら、争いは少なくなるのではないでしょうか?

左右木健一