今日は桜井幸子先生が務める韓国の芸術学校
Kaywon Art School のライブを YouTubeで拝見しました。

この美しさ。ロシアやヨーロッパの国立バレエ学校並みのレベルでした。


以前にも「韓国はバレエがお受験」の話はしましたよね。芸術中学、高校があり、もちろん大学もある。

優秀な生徒は国を代表する芸術家を育成するために1年間無料で徹底的に教育が受けられ(そのかわり成績が悪いと打ち切り)

とにかく受験でバレエを辞めるか、中断しなくてはいけない日本とは真逆で、韓国は「バレエを頑張るためのお受験」で、合格したらバレエ一筋になれる芸術学校が沢山あるわけです。

……こんな風に書いていると、悲しくなります。

私は日本人なので、日本が好きです。しかし、どうして我が国に「芸術中学校、芸術高等学校」がないのか…

日本はバレエ科のある高校はありますが、文科省の壁があるので韓国ほど「バレエ一筋」のカリキュラムもなく「バレエがお受験の韓国」とは違うので、バレエのクオリティの高さは受験時にはさほど要求されません。

そして何よりも一番の基礎固めをしたい中学生の時に受験、受験、とバレエよりも塾通いになってしまいますし、芸術中学校がないので結局は「普通の中学生扱い」で、個人のチカラでバレエを習うしか選択肢がない。

私が韓国のユニバーサルバレエ団に入団した36年も前から仙和芸術学校は存在しており、ディレクターのダニエル・レヴァンスも夕方の学校のレッスンを指導していました。このバーレッスンもそう。



こちらのブログにも書きましたが…

「日本は趣味バレエだから、仕方がない」

みたいな発言を日本のバレエ教師がしてしまうこと自体が、海外の先生からしたら

「何を考えているんだ?自国の芸術レベルをあなたたちが下げて、諦めるのか?」

と呆れられるのは当たり前…恥ずかしいです。

昔からずっと「お嬢様芸」と言われ続けて、国立芸術中学校などがないなか、日本は個人の指導者のチカラと、頑張る子供たちで形成されていますが、結局はピックアップされるのは「成功者」だけで、セカンドキャリアも考えてもらえないですし…

日本では本格的に海外でプロを目指す子のほとんどが留学します。芸術中学校、芸術高校があれば、たぶん留学する必要などないでしょうが、普通の進学校に入ってしまったら最後…

「いつまで趣味のバレエなんてやってるんだ」

と言われて辞める話も沢山聞きます。だからそうならないように、勉強だけではなく、目一杯の学校行事や部活に明け暮れ、放課後フラフラになりながら夜遅くまでレッスンをしなくてはいけない日本が嫌で、みんなバレエ一筋で勉強する環境を求めて留学するわけです。

私のような仙台の片隅で細々と指導している人間に出来る事は何なのか…と考えて行き着いた先は

「とにかくバレエ教育は諦めない」

と言うこと。

今日もうちの子供たちは頑張っていました。

あ、これは先週の模様。今日もビデオ撮れば良かった!


国の芸術支援をただ指を加えて待っているのでもなく、体制に文句を言うわけでもなく、私自身が諦めなければいい!と思っています。

左右木健一