日本のバレエスタジオだったら、発表会前の合同練習の頃に限らず、終了時間が過ぎてもレッスンやリハーサルが終わらないスタジオがほとんどだと思います。
「もっと指導してもらえるなら、スタジオに居させて下さい」
と希望するのが、昔の日本の熱心な親御さんたちでした。
しかし今はライフスタイルも変わり、どちらかと言うと
「時間きっかりに終わり、お迎えに来る」
と言うパターンが増えたように思います。
うちも子供たちが更衣室でみんなでくつろいでいたとしても、お迎えが来たら
「お母さん、お父さん、お迎え来たよ!」
と早く帰宅させますし、またレッスン時間も延長はしません。
する、としたらスタジオの玄関まで親御さんのお迎えを必要としない中学生以上のクラスは延長したりしますが、それでも10分も延長はしません。
今日も本番1週間前の通し稽古(とは言っても密になるので、2つのグループにわけています。全員揃うのは本番の日のみ!)
午前のグループは一時間半、午後のグループは一時間でリハーサル終了してしまいました。
「そんな少ないリハーサルで、発表会出来るなんて、信じられません!」
と知り合いの先生方には言われます(笑)他所のスタジオでしたら、本番1週間前なんて朝から晩までスタジオにいるのは当然ですから。
「イベントがないと、モチベーションが上がらない」
みたいなスタンスにならないためにも
「普段のレッスンが大事で、たまたまその延長で学べるものが舞台」
と思って欲しいのです。
くみ先生とお母さんたちは夕方まで話をしていましたが、子供達は早々と帰宅させました。
くみ先生と久しぶりに「自分たちで作らないカレー、食べたいね」となりましたが、混んでいる日曜日にわざわざ出歩いて外食したくない気持ちもあり…
うちから車で1分のモール(日曜日は物凄く混むらしい)にも行く気がしなかったので、初めてモールとタクシー会社さんが提携しているデリバリーを注文しました。
話が脱線しましたが(笑)
「発表会」や「コンクール」などを「頂点」とか「ゴール」と言う考え方が、たぶん「日本の習い事の典型」だと思うのですが。
今のコロナ禍ではそのようには思わないほうが良い気がします。
「一日一日をとにかく大事に過ごす」
と言うことを子供達に学んで欲しいのです。
日本はロックダウンが無いものの、政府の要請でいきなり発表会が中止になってしまったスタジオの数は非常に多かったですし、たぶんそれを経験された方なら理解出来ると思いますが
「頂点、ゴールは○月○日」
と、いくら決めていても、それを政府など上からの圧力により見事に途中で出鼻をくじかれるコロナ禍においては、ゴールを決める権限すら、私たちには無いのです。
「沢山のお客様に見に来て欲しい」
と思っても、無観客を政府から要請されたり…
この時点で、もう「第三次世界大戦」だと私は思っています。
戦時中は、とにかく
「一日生きていければ、それが精一杯」
と言う時代だったはずで、先が見えないし、ゴールを決めようにも、個人の意志に関わらずいきなり何かを寸断されてしまう時代だったみたいですから、今のコロナ禍は戦時中に近いのではないか?とも言われています。
とにかく
「今日無事に朝が訪れて、やるべきことを責任を持って果たすことに専念する!」
と毎日毎日を感謝して、頂点やゴールにこだわらないことが、コロナ禍では精神衛生上、良いのでは無いか?と感じます。
左右木健一