私が尊敬する朝倉重美先生のエクササイズ動画です!素晴らしいです!



「ただ立って、座っているだけ」ではないのがわかりますか?とても重要な股関節の屈曲を、肋骨が前にベロ〜ンと押し出されることなく、スムーズに行われている…

その朝倉先生のフォルムが素晴らしいのです!綺麗な背中!

プリエが良くわからない子(ジャンプが跳べない子)は、ぜひ実践してみると良いと思います(腰に痛みがある子はやめたほうがいいですが)

実は私も(偶然ですが)キーロフアカデミーで指導していた内容に似ています。



アラベスクのバランスが取りづらそうな子供たちに指導した動画です。



肋骨が前に押し出されすぎていて、バランスが取りづらそうな子供たちは、たくさん見てきました。

肋骨がどんどん前に押し出されてしまい、身体は柔らかくみえる(実際は柔らかいのではなく、背骨に乗っかっているだけ)のが、これ…



そう、えびぞりです。えびぞりに関して言えば以前のブログに書いたので省きますが…
「垂直にジャンプした際、空中での姿勢、そしてジャンプから着地した際も全て肋骨が前に出てしまう」

「イタリアンフェッテが最後まで出来ない」

「ピルエットからポアントで立ったまま、上体をコントロールしながらグラン・ロン・ドゥ・ジャンブが出来ない」(アルレキナーダのVAの振付にもありますね)

「首がガクンと後ろに落ちるクセがあり、いつもそっくりかえっている姿勢で踊る」

そのほとんどが「えびぞりのやりすぎ」から来ているケースを沢山見てきました。

幼児クラスではお決まりの「えびぞり」ですし、もちろんそれが「絶対に悪い」とは断言したくはないですが、うちの子供たちは「えびぞり」を一切しなくても(まだまだ足りないとは言え)とりあえずバレエに必要なアラベスクの最低限の柔軟性はあります。

もちろん新体操や現代舞踊では不十分ですが、うちのスタジオは新体操選手や現代舞踊ダンサーを育てる機関ではないので、これで十分。


「頭が骨盤を超えたら得点が高くなる」

と言うのが新体操だったりするわけですよね。そしたら「えびぞり」は必須ですが

バレエのコンクールで

「アラベスクの際、肋骨が前に押し出されて、頭が骨盤を越える」

と言う事を審査員が評価してしまった場合?

それはもう「バレエの審査基準」ではないですよね。

彼女の頭が後にガクンと落ちて、肋骨が前に押し出されていたら、男性のお腹に「ドカン!」と乗っかる形になってしまいますよね。


上の彼女は、マリア・ホーレワ。ワガノワバレエ学校卒業、すなわち?

はい、これやっていたはずです。週1-2回の別に国から選ばれたわけではない趣味バレエの子供たちがやらないほうが良いものである事は、以前のブログにも書きましたが。



マリア・ホーレワのラインは…肋骨が前に出てしまい、首の後ろが落ち、頭が骨盤を越えてはいないのがわかりますよね?


まず、このラインを見せるためには

「バランスが取れている」
「骨盤や肋骨の位置を理解している」
「ポアントで立てるだけの筋力がある」

のが前提にあり

「頭が骨盤を越えるえびぞり」

が100%ではない、と言うのを理解した場合?

指導者が子供たちを上達に導くためのエクササイズは、他にもある、と言うのが理解出来るはず。

とは言え

「これをやるには、えびぞり必要なのでは?」


と思われた方、見てください。

もし彼女が床にいた、と仮定したら?

彼女の足先は、頭についていないし、頭が骨盤を越えて下にないですよね?180度以上、足は上がっていないし。


もちろん、この形になるまでにはある程度の柔軟性は必要。しかしこの形を保つ「筋力」すなわちエクササイズが必要になって来るのはわかりますか?しかもこの形は床に寝そべってやるわけでもなく、片足で立ち、重力に逆らうから出来るわけで…

だからこそ

「立つ」

ことが基本であり、床にいつまでもゴロゴロしていないのが「バーレッスン」なわけですよね?

様々なエクササイズが沢山あるので、用途に応じて取り入れれば良いのですが、クラシックバレエの最終目標が

「床に転がっている」

わけではないと考えたら?

使えるエクササイズを、今一度見直してみると良いと思いますが、1番使えるエクササイズって何だと思いますか?

そう「バーレッスン」自体が、すでに優れたエクササイズなわけです。

他のエクササイズは「バーレッスン」を正しく行える為のプラスアルファだ、と認識すると良いですね。

なぜならバレエの最終ゴールは

「エクササイズで身体を鍛えて、終わり」

ではなく

「エクササイズで培った筋力を使ってクラシックバレエを踊り、表現する」

ことでしょうから…

左右木健一