オランダに留学している蒼士がオランダ国立バレエ団の公演を観に行ったみたいで
「健一先生が踊ってた作品を観ました!」
と連絡が来ました。
それは、こちらの作品。
ジョージ・バランシンの「ワルツ・ファンタジー」
バランシンは大好きだったので、この役をもらえた時は嬉しかったのですが…
数あるバランシン作品の中でも、短距離競争的と言うか、とにかく…
「走る!走る!走る!」
動画をご覧頂ければわかると思いますが、ひたすら走る(笑)
袖に引っ込む時間はありますが、そのあとすぐに走って出てきて、ひたすら跳ぶ、走る!
20歳だったから出来たとは思いますが…
私の踊ったバランシン作品はだいたいどの作品も幕が開いたら音楽が終了するまでノンストップで、ひたすら踊る作品が多くて…
30歳で再びバランシンを踊ったときは、そのスポーティーな感じが辛かったです(笑)
40歳、50歳になってもバランシン作品を踊る人がほとんどいない、と言う理由はまさにそこにあります。
バランシン作品はバランシントラストと言う組織により守られていますから、許可なく勝手に踊ってはいけない決まりがあります。
とは言え、コンクールや発表会で踊る方がいますが…バランシントラストに見つかったら大変なお叱りを受けるはずですから、避けた方が良いと思います(YAGPや国際バレエコンクールではバランシン作品は踊ってはいけない決まりがあります)
バランシン作品を上演するには、バレエ団の規模やダンサー達のレベルなど実績が問われるので、そんなに簡単には踊れません。
そう考えると、私が在籍していた1990年の香港バレエ団にはバランシン作品が沢山あり、踊れたことはラッキーでした。
私は一晩の間に、バランシンとチュウ・サン・ゴウ作品、あわせて3作品を踊っていたんだな、と。
早変えばかりしていた記憶しかない(笑)
ワルツ・ファンタジーと、チュウ・サン・ゴウ作品を踊ったあとに、更にこの作品を踊りました。
いわゆる「翌日筋肉痛的」な(笑)しんどい作品でした!
51歳になり、踊らなくなった今だからわかりますが…
私が10代、20代の頃よりも、上記の作品よりもはるかに難易度が高い振付が主流になっていて、怪我のリスクもその分高くなっているはず。
バレエ団の怪我人の話は、私の現役時よりも多く聞くようになりました。
そろそろ寒くなってきたので、怪我には十分に気をつけて、身体を大切に扱っていきましょう!
左右木健一