私はクラスのピアノを以前、バレエ団、バレエ学校、挙げ句の果てにYAGPニューヨークファイナルのスカラシップクラスでも急遽弾いたことがあり(ただ単に人手が足りなくて助っ人だったのですが!)

とりあえず、音に関しては子供の頃からかなり敏感です。

現役時代もやる気のないバレエピアニストが弾くクラスが嫌で、クラスの途中で抜けたりして(良い子は真似しないでね、笑)

バレエピアニストはあくまで「サブ」の役目ですが、ピアニストのエゴが強くても駄目ですし、指導者のパッションと真逆で弱々しいのも駄目。非常に難しい職業だと思います。

そんななか、私が「このバレエピアニストのCDなら使える!」と選んでいるのが、Kim So HyunさんのCD。私のクラスも韓国で弾いて下さいました。


とても若くて小柄な彼女からは想像もつかないくらい、ダイナミックな演奏を生で聴いた日には、感動しました!

そんな彼女のCD、第二弾はなんと全編に渡りジャズです。


YouTubeでプリエを聴けます。



CD販売もしていますが、彼女から「来月からapple musicでも購入できる」と連絡がありました!
私は治ることのない踵の怪我をしているのも理由にありますが、もう舞台で踊りたいというモチベーションは一切なくなり、身体を動かすよりも、子供たちの身体をずっと見つめる毎日を過ごしていて、自分自身のためにバーレッスンを行うことはしていません。

しかし、年に数回だけ何となく身体を動かしたくなる瞬間があります。

それは「素敵なレッスン曲に巡り合ったとき」

いまのところ、かたくなに身体を動かしたくない、と思う私の気持ちを変えたのは…

黎水那のピアノと





So Hyun さんのピアノだけ。これは夜中にいきなり踊りたくなり(笑)



レッスン曲を選ぶ基準は、人それぞれだと思いますが、海外の先生はバレエ音楽をそのまま弾くのを非常に嫌がります。

私は現役時代はそれほど嫌ではなかったのですが、教師を務めるようになり、バレエ音楽をそのままレッスン曲として使い指導することは、あまり良くないことに気づきました。

1番良くないレッスンピアノは、いくら子どもが小さいからと言って、幼稚園の先生のようなレッスンピアノ。これは本当にマズイです。

「子供だからリズムを取りやすく」

と言う考えも一理ありますが、あまりにも変化なく、メロディも一本指、変調が全くなくて、メトロノームみたいに弾かれた曲でレッスンするなら、別にピアノでなくても手拍子で良いわけで…

子供の音楽性を引き出すためにも、アレンジしすぎず、リズムは取れるけど単調ではなく、センスのある曲を弾きつつ、教師の要求に応えられる人…それがバレエピアニストであり、レッスン曲を選ぶ際も教師は気をつけるべきだと思います。

バレエにしても、ピアノにしても…

技術はあって当然。

最終的に差がつくのは、ハート&センスかな?

と思います!

左右木健一