昨日は感動的な1日でした。
こちらを是非ご覧ください。43分近くある非常に、非常に長い動画です(笑)
牛坂久良々がうちのスタジオに入ってきたのが、2000年。
そう、彼女とは20年のお付き合いがあるわけです。
43分では語りきれません(笑)
心も身体も弱かった彼女。
彼女が子供の頃のうちのスタジオは、本当に大変でした。
コンクール遠征のホテル内で、あり得ないイジメがあったり…
いきなり髪を染めてきた子がいたり…
平気で嘘をつく子がいたり…
その度に私とくみ先生が怒り…
そんな毎日…あの頃には戻りたくないです。
久良々とも
「周りにいた人たちが…悪すぎたね(笑)」
「そんな人たちに影響されたんだよね(笑)」
と言う結論に達しました。
子供というのは、親の知らないところで想像を絶する悪さをします。
そしてそれを知らない親は
「うちの子に限って、そんなことない!」
となるのですが、実は恐ろしいくらい、子供は残酷です。
その恐ろしい事件の引き金が「コンクール」だったりするのです。
しかし…子供は子供です。
悪いことをしている自覚など、ないのが子供。
反抗期で親の言うことなど聞かない子供を、では一体誰が叱るのか?
それがバレエ教師だったりするわけです。見ず知らずの他人は、悪さをする子供を叱りませんから。
とにかく…本当に久良々が子供の頃は、恐ろしい子供同士のイジメや悪い方向に向かおうとする嫌な空気が蔓延していましたし、そのなかでよく彼女は頑張っていたと思います。
今でこそ、うちのスタジオは平和ですし、久良々も帰国して、それは感じたみたいです。
20年前と全く同じ建物なのに、全く違う雰囲気で、皆がマイペース。
紆余曲折があって…しかしバレエが好きなら頑張れる。
「コンクール」が悪いわけではない。
(コンクールが素晴らしく良いわけでもない)
善悪の判断がつかない「子供」が悪いわけではない。
(子供が100%正しいわけでもない)
それをきちんと軌道修正するには、反抗期で親の言う事は聞かない場合、教師が鬼になる必要があるわけです。
しかし、しかし、最終的には「親」です。
いくら私達教師が軌道修正しても、家庭に戻れば、その家庭の価値観に戻りますから。
久良々は親御さんに恵まれたと思います。
私生活から根本的に直していかないと…
と、このコンクール以降、2年間はコンクールにエントリーしなかった彼女がいるから…
「受賞した!」とか
「人との競争」
しかクローズアップされないコンクールですが、生徒と教師の壮絶な日々があっての結果であり、それは「人との競争」なんかではなく「自分の弱さとの戦い」なわけです。
プロになってもコンクールにエントリーした理由も、彼女は私と同じです。
バレエ団と言う場所は、自分が踊りたい役を毎回踊らせてもらえるわけがないのです。
コンクールくらいしか、その場がない。
そこも、バレエを知らない方々には是非知って欲しいです。
久良々がスタジオに入ってきて20年。
私が教師を務めて23年。
やっと…やっとスタート地点に立てた気がします。
建物は同じでも…
左右木健一