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 Soki Ballet International HP
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先ほど日本音楽高等学校の授業を終えて、いま新幹線の中にいます。

今日も私の中でのテーマは、ずばり

「solution(解決)」でした。

問題があれば、それを解決に導くのが指導者の役目ですから。

スローペースではありますが、確実に問題解決に導くようにしています。

それには訳があります。

さて…ここから長文になりますからね(笑)




以前、ある海外バレエ団のプリンシパルのトークショーみたいなものがあり、そこで集まった子供たちからの質問コーナーで、ひとりの子供に

「オーディションに受かるためにはどうしたら良いですか?」

と聞かれたプリンシパルが

「私はオーディション一回で受かったわ。他にもオファーがあったけど断った」

と高圧的に答えたと言う話を聞いて、妙に納得したことがあります。

それは

「苦労せずに成功した人間には、子供にアドバイスを与えることは不可能」

と言うことです。プリンシパルとしては君臨出来ますが、このような人は指導者に全く向きません。

「パンがなければ、お菓子を食べればいい」

と言うのと同じ。パンを食べれない人たちの気持ちがまるでわからない人から発せられる言葉。

バレエも全く同じです。

生まれつき足の甲がある人には、足の甲がない人の苦労はわかりません。

生まれつき身体が柔らかい人には、硬い人の苦労がわかりません。

主役ばかり踊っていた人には、踊れなかった人の苦労がわかりません。

ですから海外のバレエ学校の校長や教師たちはダンサーとして果てしなくスーパースターではなかった人たちが多いです。どちらかと言えば二番手、もしくは常にプリンシパルだったとしても怪我で止む終えず引退したか。

なぜなら様々なケースに対処するためには、対処法を知る必要があり、解決策を知らず、挫折を味わったことがないスーパースターが目の前にいても解決ないから。

つま先が伸びない子に対して

「私みたいに伸ばせばいいのに」

とデモンストレーションを見せられたところで、子供のつま先が伸びるわけがない。

見本を見せられてインスパイアされるかも知れませんが、解決には至らない。

なぜならその教師が

「つま先が伸びない子の気持ちを理解したことがない」

場合、解決策を見出す経験値に決定的に欠けるからです。

ダンサーとして二流、三流の人が優れた教師になる、という意味ではないです。

ダンサーとして、どこまで苦労してきたか、挫折を味わってきたか、人の痛みを自分の痛みとして置き換えられるか、という経験を積んだ人間にしか、子供たちを安全かつ、健全に育てられるか、のノウハウは身につかないということです。

「上手くなりたければ、毎日練習すればいい」

では、何も解決しないのと同じです。

「毎日」「何を?」練習すれば良いか、の解決策を指導しない限り、毎日スタジオに来て365日練習しても、無駄なのです。

昭和時代の人なら覚えているはず。

体育の時間、鉄棒で逆上がりが出来ないと

「何度も練習すれば出来る」

と言われ、泣きながら練習して、出来たら美談。

出来なかったら

「根性が足りない」
「運動神経が鈍い」

で片付けられた子、いませんでしたか?

昭和時代でしたら、それでも何とか「根性」という名のもと、頑張ることが出来ました。

しかし、今は違います。

「根性」のなかに「知識」がなければ、全く無意味である事を、今の子供たちは薄々感じているはずなんです。

私達大人がそうであったように、子供たちも「解決策」が欲しいはずです。


「パンがなければお菓子を食べればいい」

ではなく

「パンがなければパンを作れるように材料を揃えましょう」

とガイドしてあげるのが、大人の義務であるとヒシヒシと感じます。

左右木健一


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