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早期にポアントを履かせてヴァリエーションを踊らせる問題。

私も以前、Dance Europe という雑誌から取材を受けて執筆しました。

日本国内コンクールでも、ようやくポアントを履かなくても良いコンクールが増えてきましたが、やはりいきなり

「9歳、10歳はポアント使用禁止」

とはいかないようで、むしろポアントを履かないと減点されるコンクールもあるそうです。

このポアント問題、マイアミ国際バレエコンクールの審査員の先生方に沢山意見を伺いました。

結論から言うと

「年齢というよりも、その子の身体的、精神的な熟し方、日々のレッスン量や理解力の有無を判断して、ポアントを履かせるか、履かせないか、ではないか?」

という感じでした。

実際、昔は履ける子は6歳から履いていたりしました。そしてそのままプロになった子もいます(後遺症に苦しんでいるみたいですが)

ただ、それが「全員が全員」でないところに、今までフォーカスされていなかったように感じます。私自身も小学生の頃、周りの女の子たちが嬉しそうにポアントを履いてたりしているのを見ていましたし、その子たちが別に大怪我していたわけではなかったですから。

しかし、昭和時代と決定的に違うのは…

私が子供の頃は自習という習慣もなく、国内コンクールは当時は3カ所しかなく(東京新聞、埼玉、全日本)スタジオ生徒が何百人もいるなかの、本当に選ばれた生徒1人、2人くらいしかコンクールエントリーは許可されなかったのです。週1-2回のレッスンしか受けられない子は、コンクールエントリーなどは一切出来なかった。

しかし、今は週1回程度のレッスン回数でもコンクールにエントリーできます。しかも時期を見て計画たてるわけでもなく、学校行事や発表会、移動しなくて済む地域でたまたま時期的に良いから、と気軽に身近なコンクールにエントリー出来る時代。

そのようなスタンスだとしたら、ポアントを履いて身体を壊す子供たちは続出するでしょうし、ポアントを履いていなかったとしても、何かしらの身体の異変を感じる子も中にはいるはず。

早期ポアント着用が絶対悪い、というよりも、そこまでの基礎的レベルに到達していない子供たち(大人バレリーナさんも含め)が気軽に履けて、それでヴァリエーションを踊っていくうちに怪我が絶えないケースが目に見えて増えただけの話かも知れません。

ある先生ともお話していたのですが、日本は発表会文化なので、とにかく舞台が多すぎて、レッスンもおろそかになる、と。

発表会に加えて、県や市の文化祭のような舞台、チャリティーで踊り、ショッピングモールで踊り、合同公演にも借り出され、バレエ団の子役としても出演したり、それに加えてコンクール参加。

いったい、いつ基礎レッスンするのだろうか?と言う疑問は、なかなか抱けない環境だと思います。

舞台数がそんなに多くない海外バレエ学校の生徒、舞台経験豊富な日本の生徒。

その生徒たちが同じ土俵にあがり、いざ基礎レッスンを審査しましょう、と言われた場合、やはり評価されるのはどちらか、は明らかです。

私も基礎レッスン大嫌いで(笑)しかし舞台は大好きな子供でした。お恥ずかしい限りです!

3歳からバレエを始めて、現在50歳の私ですら、今頃になって、ようやく「バレエ」と向き合えるようになったと思います。

答えが一つではなく、ケースバイケースで各国のお国柄を反映した発展の仕方をしてきたわけですから、一筋縄にはいかないと思います。

しかし、国とか、趣味だとか、年齢だとか、経験とかは関係なく

「プリエはプリエ」
「タンデュはタンデュ」
「バレエはバレエ」

だと、改めて感じます。


左右木健一