昨日、黎水那や蒼士がいたので
バレエで学べることは、計り知れないです。無限大に学べます!
「パ・ド・ドゥクラスやろう!」
となりました!初めてだったのに、女の子たち、頑張りました!
もちろん踊らせても良いのですが、趣味程度に習っている子に、いくら発表会とは言え、男性と踊らせることは相手の男性はプロですから付き合ってくれますが、本人の肉体的、精神的負担は大きくなります。徹底した自己管理が出来ていない場合、逆に辛くなりますから、その準備が出来ていない子を無理矢理踊らせることはしません。
海外のバレエ学校ですら、10代前半でグラン・パ・ド・ドゥを学校公演で踊らせることはありません。
しかし日本は昔から10代前半でグラン・パ・ド・ドゥを踊ることは珍しくなかったですし、週2回しかレッスンしていなくても、ポアントを履き始めたばかりでも、発表会で男性とパ・ド・ドゥを組ませることに関して、あまり疑問を抱いていません。
ちなみに私がグラン・パ・ド・ドゥを舞台で踊ったのは15歳の時でした。13歳の時にはすでにリフトをしていました(笑)早すぎます。ですから腰を痛めました。
昔から日本には「発表会ダンサー」というジャンルがあり、バレエ団に属していなくても、サポートが非常に上手で、どんなに経験不足の趣味バレエの子供たち(大人も含めて)でも、その方たちの優れた指導力と技術により、舞台ではグラン・パ・ド・ドゥを踊れるシステムが確立されています。
そのシステムが「悪い」とは言いません。趣味バレエでしたら、ありです。
しかし優れた男性ダンサーのチカラを借りるだけでは、その場は良くても、後々財産にはなりません。
私が考える「パ・ド・ドゥ」は
「お互いの立場を理解する」ことだと思っています。
どちらかが偉くて、どちらかが従う、とか、そういうのではありません。
男性も女性がポアントで立つということを理解して、女性の動きを全て把握する(究極、自分が女性パートを踊れるようにする!)ことが必要ですし
女性も自分自身が確立されていないと、いかに男性に負担をかけてしまうか、を考えなくてはいけない。
すなわち
「こんな風にされたら、嬉しい」
「こんな風にされたら、嫌だ」
という自分の気持ちは、相手も同じなんだ、ということを学べるのがパ・ド・ドゥだと思うのです。
「相手に対する思いやり」
簡単そうで難しいですよね。
自分が良かれ、と思うことは相手には「余計なお世話」かも知れないし…
最大限気配りしたはずが「全く気を使ってくれない」と逆に失望されたり…
もしくは気配りをすることすら気付かずに、相手の善意が「当たり前」と思う人もいたり…
まるでこの世の中の縮図のようです。
自分の幸せの価値観は、他人も同じとは限らないし、自分の常識は相手の非常識だったりする。
「分かり合えない」関係もあります。
嫌な相手なら、二度と一緒に仕事をしないだけでいいですし、無視することもできます。
…しかし、パ・ド・ドゥの場合
「この人の踊りが嫌いだから一緒に踊れません」
「この人の性格が嫌いだから一緒に踊れません」
なんて、言ってられません(笑)
バレエ団で踊るプロですら
「この人と踊りなさい」と言われて
「嫌です」
と相手を選べない場合だってあるんです。
「お互いの立場を尊重しつつも、自分を見失わず、どこまで押したり引いたりして、円滑に物事を進めていくことが出来るか…」
子供たちだけでなく、私も学んだ一日でした。
左右木健一