スタジオアーラのWS 2日目。

子供たちの熱烈歓迎(?)に迎えられて始まった2日目。

「昨日やった順番、覚えてる?」

「は〜〜い!」(すっごく元気!)

「じゃあやってみよう!」

となった映像がこちら。



いつも伝えていることですが

「声に出すなんて恥ずかしい」
「笑顔なんて恥ずかしい」
「間違えたら恥ずかしい」

という、日本古来の「恥の文化」(良い方向ならいいのですが、たいてい悪いほうに行く)から決別することから、私のクラスはスタートします。

誰だって

「間違えたら恥ずかしい」

ですし、間違えたことにより

「他の人に迷惑かかるのでは」

みたいに心配してしまいます。

しかし…

「誰の為にレッスンしてるのか?」

とシンプルに考えた場合、他人のためではなく、自分の為であり

「知らないことを知る」

のがレッスンなわけです。

「みんなの前で発言したくない」

となる、日本の文化は

「みんなの前で発言したら、その後いじめられる」

という学校問題(これはたくさん事例を聞いてます)にも繋がりますから、なかなか難しい問題でもあります。

ですから私は子供たちに

「外国に留学したつもりで発言してね!」

と伝えました。二日間だけではありましたが、成果はありました!


そして次のクラスの子供たちも同様に、頑張ってくれました!


その後、ヴァリエーションの個人指導をしたのですが

「発表会でヴァリエーションを踊る子」
「コンクールでヴァリエーションを踊る子」

は明らかに違います。

発表会は採点されません。振付を間違えようが、教師の注意を忘れようが

「良く頑張ったね」

で終わります。

しかしコンクールは嫌でも順位が発表されます。
覚悟が必要なんです。

ですからヴァリエーションの個人指導を受ける際は本番同様の心構えが必要になります。

しかしコンクールに出場しない子供たちも

「早く指導してください!」

とばかりにスタジオでスタンバイしている子供たちもいて、微笑ましかったです!

バレエを知らない人は想像出来ないと思いますが、どんなに年齢が低くても、バレエを習うのであれば「準備は自分でする」ことがバレエで学べるんです。

トウシューズを履いて、いきなり「はい、踊れます」なんて出来ないんです。


まずトウシューズのリボンやゴムが切れそうではないのか?(切れそうなら自分で縫わなくてはいけない。ですからお裁縫は必須です!)

トウパットは大丈夫なのか?

爪の手入れ、マメ対策は大丈夫なのか?

履いたらその足元はだらしなくないか?リボンやヒモは出ていないか?

足慣らしをして準備万端か?(いきなりトウシューズに足を突っ込んで踊るなんて言語道断です)

ヴァリエーションを踊れるだけのコンディションのトウシューズを用意しているか?スペアは?


これを短時間で全部自分で(!)チェックできて、はじめてトウシューズで踊るスタートラインに立てます。

しかしスタートラインであって、まだまだ続きます。

踊るまえに、教師が注意した内容を頭で理解出来ているか?

覚えていないなら、ノートに書いたのか?

書いた内容を復習したのか?

などなど…

この「自己管理」

小学生から身につくわけです。なぜなら親が舞台袖で手助けするわけにいきませんし、教師も危険でない限りは静観します。助け舟はなるべく出さない。

もちろん失敗することもあるでしょう?

しかし!そこから「学ぶ」んです。

それが「習う姿勢」というわけです。

バレエスタジオは、自分が出来ることをアピールして褒めてもらう場所ではなく、あくまで「失敗して次回改善する場所」なのです。

この価値観を岐部先生もお持ちなので、私達はすっかり意気投合しました!

右が岐部先生、左が久美子先生。お2人ともお若いのに感心することばかり!


「ご挨拶をする」
「靴をそろえる」
「ノートを書かせる」
「髪の毛などの身なりをきちんとさせる」

などなど、礼儀を徹底指導しています。

バレエの世界では「当たり前」が一般社会では失われているみたいです。

「挨拶しない、うなずくだけならまだ良くて無反応」
「靴は脱ぎっぱなし」
「忘れてもグーグルで検索すればいい」
「身なりは適当」

しかし、それを注意したら逆ギレする。

そんな社会人山ほどいる、なんて話をよく聞きます。

バレエスタジオは「バレリーナを育てる場所」だけではなく「学校では学べないことを学ぶ補習校」の役目を果たしていると感じます。

意気投合した岐部先生と、ある計画を立てました。

8月18日(日)に岐部先生のスタジオにお邪魔しますが、岐部先生主宰のもと、長年

「左右木先生、ぜひやってください!」

と言われていて、なかなか実現しなかった「ある事」が遂にスタジオアーラ草加で開催されます。

詳細は追って発表します。お楽しみに!

左右木健一