<Q>

いつもブログを拝見しております。12歳の娘の母です。
実は娘の通うバレエスタジオに非常に態度の悪い高校生がおりまして、娘もいじめられているようです。<中略>
娘は我慢できる範囲と言っていますが辛そうです。バレエの先生の事は大好きらしいのでお教室は変わりたくない。これを先生に相談してもよいものか悩んでおります。

<A>

私が子供の頃、いじめられていた話は以前のブログにもたくさん書いていましたが…

このお話を伺って、またもやフラッシュバックしたので、私の経験談をお話しますね。

私が小学生の頃、いわゆる「リーダー的存在」の女の子、外見も派手、影響力も十分、バレエの実力もある…そんな子に長年いじめられていました。

彼女の周りには常にたくさん仲間がいました。リーダー的存在の彼女には逆らえない風潮がありましたから、私は孤立しました。

そんななか事件が発生。

私が「眠れる森の美女」の猫をある女の子と踊っていたのですが、そのリハーサルの際、明らかに私に聞こえるように、パートナーの女の子をつかまえて

「あんな気持ち悪いヤツと踊って、かわいそうよね、あなた」

と。

さすがに私も長年我慢してきたことが爆発して、彼女と大喧嘩になりました。その現場には助教の先生しかいなくて、その先生はどちらの味方もせず、見て見ぬふり。

私が教室を辞めるべきか…

そこまで切羽詰まっていました。私の母は放任主義でしたから、一切意見は言わなかったです。

そんななか、私が下した決断は

「彼女の言葉に流されているようでは、まだまだ自分のバレエの実力が不足している証拠だ。こうなったら、絶対バレエもお教室も辞めない!」

と。ちょうどバレエに専念しようとした時期と重なっていたので、負けてられない、と思ったのです。

そして毎週、天敵のような彼女のいる教室に通い続けました。彼女がレッスンをサボっていても、私はサボらないようにして、とにかく休みませんでした。イヤミを聞こえるように言われていたのに、そのイヤミすら耳に入らなくなりました。なぜなら少しでもレッスンに没頭していたら、そんな話は耳に入る隙がないからです!

そうこうしていると、彼女は無断欠席が続き、遂にバレエを辞めてしまいました。後から話を聞いたところによると、彼女のお母さんにも問題があり、彼女のストレス発散は、私をいじめることだったらしいです。歪んだ家庭環境のはけ口が「いじめ」だったりする、よくあるパターンですよね。

彼女と一緒に私をいじめていた子たちも次々と辞めていきました。そうですね…20人近くは辞めていきましたよ(笑)結局は、バレエが好きなわけではなく、バレエを習っている「自分」が好きな子は、バレエだけに限らず、何をやっても続かないです。

ですからお嬢様は「我慢する」と言って、レッスンに通っているのですね?大正解です!

そこで我慢出来ずにお教室を変える選択が間違っている、という意味ではないです。

しかし、どの世界にもいじめはつきもので、どのようにいじめをスルーできるか、という「スキル」みたいなものが育まれる前に、環境を変えたところで、何の解決にもならないからです。

バレエが好きなら、バレエの先生が好きなら…

いじめられようが、何だろうが、続けるべき。自分から離れた時点で負けです!

「我慢する」というのが、バレエに支障がありそうならともかく、そうでない場合は大丈夫。

お母様が過剰に反応する必要はありません。

しかし、いじめの度合いが酷い場合は、まずお教室の先生に相談してみるのは、アリだと思います。


そんないじめがなくなった頃の私の写真です。

いじめた子たちが続々と辞めた翌年の舞台で、私は初めて楽しく踊れました。3歳からバレエを始めて11年後のことでした。

あの時、バレエを辞めたり、お教室を辞めていたら、今の私はいません。

よく

「続けた者勝ち!」

と言いますが、本当です!断言出来ます!

「逃げるが勝ち!」

の場合もありますが、自分自身がただ単に辛くて問題と向き合わないまま逃げても、むしろ環境が変わっても再度同じ問題に直面しますから。

お母様が頑張るお嬢様を信じてあげることが大事ですし「我慢できる範囲」とお嬢様が自ら言ってるのであれば、それを信じてみてはいかがでしょうか?本当に我慢できなければ、子供はSOSを出します。

子供の「一過性」のいじめに巻き込まれて、お母様までネガティブなの渦に飲み込まれるのはいけませんから、まずはドッシリと構えてみてくださいね。

ネガティブにはネガティブな者が寄りますから!

左右木健一