さて、もう数日前の事ですが…

オーストラリアバレエ団の美しいピアノによるクラスから始まったWorld Ballet Day

本当に美しくて深みのあるピアノ。そこで伸び伸び踊るダンサーたち。そしてバレエ界では医療チームが世界一と言われるオーストラリアの環境。アーティスティックな部分もフィジカルな部分も申し分ない環境は、最高ですね。

そして、ウィーン国立歌劇場バレエ団の World Ballet Day

リハーサル風景が圧巻でした!とにかく美しい!
スタジオ床に私物が散乱することなく(私物は一箇所にまとめられていて。ヨーロッパでは珍しい!)だれ1人として、汚いTシャツやジャージを着ていない。唯一ジャージ姿のルグリですら、綺麗!

「世界一アディダスを優雅に着こなせる人」

と、私は勝手に命名してます(笑)

もちろんカメラが回っている、という前提のもと、ダンサーたちの気合いが入っていたのは明らかですが、それにしても…


まるで相談しあったかのように、レオタードとスカートが綺麗!もちろん髪もメイクもバッチリ!


マニュエル・ルグリの「シルヴィア」

ウィーンにまで飛んで観に行きたい!と思わせるライブ動画でしたね。

あとオランダ国立バレエ団のWorld Ballet Dayもノイマイヤーの「椿姫」のリハーサルを公開していましたし

英国ロイヤルバレエ団のWorld Ballet Dayはマクミランの「マイヤリング」などなど…

リハーサルも素晴らしかったのですが、私が一番感心したのが、ダンサーたちのリハーサル後のインタビュー。

誰かに指示された通りの、セリフの棒読みのありきたりなコメントではなく、しかし思いつきで喋っているわけではなく、きちんと自分の事を自分の言葉で喋っていたこと!しかもガンガン踊ったあとにいきなりマイクを持たされても、平然と喋れるそのスキルが凄いと思いました。まあ、プロなら当然ではありますが、この辺の「成熟度」がさすが!と感心しました。

これは普段からリハーサルで教師とコミュニケーションを取っていることや、喋る機会が多くなければ出来ないこと。

「シャイだから喋れません」

では、まず通用しないし、かと言ってありきたりのセリフの棒読みや、歯の浮いた綺麗事を喋っても

「それ、本音じゃないでしょ?」

と思われてもいけないし。

堅苦しくもなく、しかもさりげなく交わす会話やコメントのなかにも、ちょっとユーモアもあったりして…その微妙で絶妙なバランスが素晴らしいと思いました。

日本では、真面目に会話しすぎて、ユーモアをユーモアと取れなかったり、一つの言葉に過剰なまでに反応されてしまう為に「だったら…黙っておいたほうが無難」となり、いざという時にありきたりな発言しか出来ない、と言われます。

喋ること一つとっても、ユーモアの解釈にしても日本人は「幼い」とよく言われます。

喋る事もですが、聞く(読む)側の「読解力」の成熟度も、問われている気がします。

今回のワールドバレエデー。

それぞれのバレエ団の「美しさ」がにじみ出ていて、見ていて楽しかったです!

あ、でも生徒の皆さん。

レッスンは真似しないで下さいね。

汚いヨレヨレTシャツ、脚の形が汚くみえるレッグウォーマー、サウナパンツ、ボサボサの髪の毛…などはご法度ですから!

だって…プロのリハーサルですら


この美しさですよ。もちろんワールドバレエデー用かな?とも思いますが、世界中に配信される、ということの「自覚」が、バレエ団内でビシッと教育されている(か、もう学生ではないから暗黙の了解なのかわかりませんが)

この「意識」は、生徒たちに真似して欲しいです!

なぜなら、もし国を代表するバレエ団に入団出来て、世界中に配信されるダンサーがみすぼらしかった場合、そしてバレエをはじめてみる、という人がそれを見てしまった場合…

バレエの将来の観客を1人、2人、多数、失うわけですから。その責任は重大です。

それをしっかり理解した上で、集客するためにビジュアルをビシッと決めてきた海外バレエ団のワールドバレエデー。

感心しました!生徒たちにも伝えていこうと思います!

左右木健一