「コンクール」の質問フォームで今まで回答出来なかったものがあります(コンクールの質問ではなかったので)

それが「いじめ」問題です。

スタジオ内(生徒に限らず親御さんも)での「いじめ」「陰口」「仲間はずれ」

実は連日のように寄せられてきておりました。コンクール会場で「いじめられた」とかではなく、日々のスタジオにおいての「いじめ」「陰口」

あまりに連日多く寄せられてきていたので、私の体験談を書きますね。




ザルツブルクで「ロメオとジュリエット」のロメオを踊った日。

楽屋にいつも置いてあるマスクが…出番前に突然なくなりました。

皆様、おわかりになりますよね?マスクがないとキャピュレット家に入る時、困る(笑)

そのマスクがないと、ストーリー展開がはちゃめちゃ。

一番困ったのは、そのマスクを管理している方々。ヨーロッパの劇場ではメイク、カツラ、小道具、衣裳は、ダンサーたちではなく劇場で働く方々が担当、管理します。衣裳を着脱するのも必ず付き人がいます。自分で慌てて脱いだりすると

「俺の仕事を取るな!」

と言われます(笑)

そのマスクを管理している方も劇場中探し回り、パニック。しかし私は舞台に出なくてはいけなくなり、仕方なくマスクなしで片手で顔を隠しながら出ました。

そしてフッと袖を見たら、それまで何もなかった舞台袖に、なぜかポツンとマスクが…

「あ、やられた…」

と感じた瞬間でした。バレエ団入団3年目。それまで割とみんなが仲良くして、ノンビリしたバレエ団だったのですが、人数が足りなくてゲストコントラストで10人ほど新しい人たちが入ってきて、そこからバレエ団の雰囲気が急に悪くなり、毎日疎外感を感じながら(いまでいう「ハブられる」対象に私がターゲットになってしまった)リハーサルと舞台をこなしていた最中でした。

まさか自分のマスクが不自然になくなり、不自然に袖に置かれるなんて、想像もしていませんでした。

「うわ、少女マンガみたい」と(笑)

もしくは、ゆうきみほさんのドラマ「赤い靴」そのもの!

この演目を上演している頃は様々な事がありました。舞台のセリがいきなり作動しなくなり、公演中止とか、それまで一度も不具合のなかった劇場のシャワーがお水しか出なくなったとか…それまでなかった盗難もよくありました。

私はそんなに「スピリチュアル系」ではないのですが(笑)毎日不可思議なことが、不可思議に続いた日には「もしかして…」なんて変な想像をしたり。今でこそ笑い話ですが。

そしてゲストコントラストの人たちがいなくなった翌シーズンからは、何事もなかったか、のように平和が戻りました。不思議でしょう?(笑)

人の「念」は、本当に怖いです。嫉妬…まあこの世界にいれば「あるある」話です。


こんな和気あいあいとしたバレエ団の連中のなかに、突然嫉妬心のかたまりみたいな人たちが侵入するだけで、この幸せもなくなるのか?と、当時はショックでしたが…

そう…この世界にいたら「いじめ」「陰口」「仲間はずれ」当然のように経験します。

しかし、ブーメランの法則で、投げた嫉妬心、必ず投げた本人に返ってきます。

渡そうとしたプレゼント、相手が受けとならければ、渡そうとした本人がお持ち帰りするしかない。

そう、受け入れなければ良いんです。いわゆる「スルー」というヤツ。

スルー出来ないくらい攻撃されるパターンもありますけど、それも「神様はお見通し」

「嫉妬」で投げたブーメランは、必ず自分に返ってきます。忘れた頃に…しかも倍に膨れ上がり…

どうせ返ってくるなら、良いブーメランを投げたいですよね?相手が受け取らなくても、自分に返ってくることはポジティブパワーですから。

こんなことはバレエ界に限らず、生きていれば必ずあります。自分と実生活で全く関係ない有名人や、この世を去った人に対しても嫉妬したりしますから、人間の「執着心」は怖いですよね。

物を盗まれたり、仲間はずれにされたり、あらぬ噂を立てられり、攻撃されたりして悩んでいる方へ。

大丈夫。

思い出して下さい。

「因果応報」の法則を。

「いや、世の中悪いことしていても、幸せそうに暮らしてるひと…いるじゃない?」

と思われて、この法則すら信じられない方もいますよね。

しかし、それは「生きている」時だけにフォーカスを当てているから。

ちょっとスピリチュアルになりましたか?(笑)

バレエは幸せになるためのツールであり、人を蔑むためにあるものではない。

難しいですが、そこを乗り越えたときに、初めて人は幸せになれるのかも知れません。

私も、そんな旅の真っ最中です。

左右木健一