蒼士のモナコ 短期スカラーシップの賞状がYAGP日本事務局から届きました。ありがとうございます!
その時はYAGPもエントリーなんて考えられなかった時で。一緒に写真は撮ってもらったけど、別に大勢受講している生徒の1人。それ以上も以下もなく…
ルカ先生からはこのように言われました!
「KEN!お前は彼に何をした?」と(笑)
そりゃあビックリしたことでしょう。彼の目つきが変わりましたから。
「三月の蒼士とは別人だ!KEN、お前は彼に何をした?」と(笑)
私はシゴきましたけど、特別扱いはしていません。他の女の子たち、いやそれ以上に厳しく指導しましたが。食らいついてきたのは彼自身です。ですから、私は彼と彼を支えてきたご家族の力だ、と思っています。私の厳しさを、ただ単に「厳しい」とか捉えずに信じてくれたことは、嬉しかったです。実力不足なのに、夢だけ語られても、こちらは困ります。夢を語られたら、まず本人やご家族が出来る事、出来ない事を全てテーブルの上に出さないと、話が進みません。蒼士や黎水那が劇的に変化して他の先生方に認められた要因はここにある、と思いました。
海外の先生方はシビアです。しかも記憶力がバツグンに良い。ですから蒼士の事はしっかり覚えてくれていました。
オランダの年間スカラーシップを頂いていたとしても
「蒼士が希望するなら、うちにも来て!」
と、先生方から直接言われたことは、財産です!
例えば、一年前にワークショップがあったとして、翌年成長していないと
「去年から全然成長していませんね……」
の一言で終わります。趣味レベルのバレエの世界の先生方ではないですから、成長が止まって向上心のない生徒が、やる気をおこすのなんて待ってくれる先生なんて、誰もいません。蒼士は頑張ってくれたから認めてもらいましたが…なかなか簡単にはいきません。
私はどんな子供であれ、可能性はある、と信じて待ちたいですが、海外の先生たちは
「あ、無理!」
と思ったら、バッサリ切り捨てます。そこで諦めてしまう子が多いのは残念です。ローザンヌやYAGP入賞だけがバレエではなく、あくまでひとつの選択肢にもかかわらず、まるで予選通過しなかったら受験に失敗した、みたいな風潮もあるみたいで…バレエの世界を知らない方がTVなどで得る情報だけで判断して欲しくない、といつも思います。ちなみに私は国内コンクール予選落ちで、バレエ団オーディション受かりましたが(笑)
海外の先生から一旦切り捨てられても
「なにくそ!頑張るぞ!」
と、思える子ももちろんいます。プライドが変なところでは高くなく、しかし
「このまま、逃げてたまるか!見返してやる」
というプライドのある子は成長します。
私も子供の頃は
「どうせすぐやめるでしょ!あの気持ち悪い男の子」
と、先生からも、女の子のお母さんたちからも馬鹿にされて育ってきました。
しかし、バレエは辞めませんでした。辞めたら自分に負ける…人に負けるうえに、更に自分に負けてしまったら、それこそ救いようがない。
そう思って続けてきました。そして続けてきたご褒美が今…本当に幸せです!
黎水那に続き、蒼士も巣立っていくのか、と思うと寂しくなりますが…
海外の先生から
「うちにいらっしゃい!」
と言われているうちに離日することが大事。バレエ界、循環早いですから
「あと数年待ってから留学を…」
なんて考えているうちに、下からどんどん優秀な子が出てきて、気付いたらどこの学校からもスカラーシップどころか入学許可すらもらえない。
そんなにチャンスはゴロゴロ転がっている、と思ったら大間違いです。
「羽ばたけ!」と私も覚悟を決めて、生徒を送り出したいです。