少し落ちついたので、書きます。

実は私自身、今回舞台で踊るにあたり、いままでとは間逆のやり方で舞台に挑みました。

ダイエットしない。
筋トレしない。
ストレッチしない。
練習しない。
食べたいだけ食べる。

ありえないですよね。特に「練習しない」なんて言語道断です!若い子は絶対真似しないで(笑)

なので、私の身体はベストではないですし、筋肉隆々でもなく、むしろ脂肪が(笑)

それには深い訳がありました。

実は私の友人たちは知ってるのですが、4年ほど前の舞台で、私は体脂肪6%まで絞り込み、1日6時間は練習して、ありとあらゆるトレーニングをして、微弱電流、鍼、整体を行き来しながらサプリも飲み、万全を期して舞台に挑んだ…絶好調でした。しかしその舞台の最中に怪我をしました。左足の感覚が一瞬なくなり、そのあと体験したことのない何とも言えない痛み。もちろん怪我をしたなんて表に出すわけにはいかない、最後まで踊りきりました。そして翌日の診断が足底筋膜断裂。身体よりも、むしろ心が傷つきました。

こんなに練習していたのに…
こんなにケアしていたのに…

自分を責めても、そんな怪我をしたダンサーに同情してくれるほど、周りは暇ではありません。むしろ怪我したダンサーなんて使い物にならない。

その後の舞台では、私は無理することを辞めるようにしました。無理して周囲に迷惑をかけるほうが、よっぽど周りが迷惑なのだ、と悟ったからです。

そして今回の舞台が…今までのバレエ人生のなかで一番リラックスしていました。

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田中黎水那の振付。黎水那には申し訳なかったですが、ほとんど練習していません(笑)

しかし、少なくとも私が舞台上で大怪我して彼を困らせる事態には陥りませんでした。

先ほども、うちの生徒をケアしている、かなめ整体院の要先生とも電話で話しました。

「これをやったら絶対怪我しない、なんて存在しないよね」

と。これを飲んだら病気にならない、なんて言ったら皆が不老長寿ですよね。バレエにしても同じ。この筋トレ、この解剖学的バレエクラスさえやれば怪我は絶対しない、なんていうマニュアルがあったら、プロのダンサー降板するわけがない。

世の中に「絶対」はない。でも諦めずに試行錯誤しながら問題を解決する。そんな真摯な姿が要先生に見受けられたので、今回先生にはお世話になりました。

美しさを追求する執着心は絶対必要です。私もそれは未だにあります。

しかし、執着を手放せるか…

ここが一番難しいところですが、やることをやったら、スーッと執着を手放すことが人生には必要だ、と今回のガラ公演で学びました。

執着を手放した動画です。笑い声、聞こえますか?あ、もちろんこれは舞台稽古です。

真ん中が私です。今までにない感覚で踊っていました。もちろん無理してないので、絶好調ではない。しかし…どこにも痛みはないです。



もちろん若い時に無理をしたから、今の私は無理をしなくても踊れる方法を編み出しました。しかし、それが「絶対」ではないです。若い子たち、誤解しないで下さいね(笑)

物事は「押してダメなら引いてみる」かな、と思うんです。

固定観念で「これが正しい」と洗脳されるように物事の取り組み方を変えないで、どんどん悪くなるくらいなら、いっそのこと間逆のことを挑むべきかな?というのはガラ公演で学びました。

要先生をはじめ、新しい価値観や可能性を広げて下さった新しいご縁で結ばれた皆様方に、心から感謝します!

ありがとうございました!

左右木健一