マッシミリアーノ・グレコ

彼の名前を知らないバレエピアニストは、いないはずです。

黎水那の留学しているモナコ王立グレースバレエ学校の専属ピアニスト、そして音楽の授業の先生。

黎水那は毎日のように、彼の生演奏を肌で感じているみたいで、なんて贅沢!



バレエピアニストのなかでも、彼の好き嫌いがわかれるみたいです。嫌い、という意見も聞きました。

教師も然り。彼のCDでレッスンを教えるのは、ある意味チャレンジです。

私もはじめに聴いたときは

「これはレッスンに使えない。無理だ」

と、使えませんでした。しかし、何百回も聴いているうちに、彼の良さが理解出来ました。

教える側が彼の音楽に負けないくらいの緻密なアンシェヌマンを組めて、生徒を導くためのかなり特殊な声がけ、手拍子が必要です。かなり特殊。

普通に市販されているレッスンCDは、教師があまり苦労しなくても、すぐにレッスンに使えます。すぐに使えることは良い事ではありますが、逆を言えば、そこまで音に敏感にならなくても踊れてしまう。

日本人は「音楽性がない」と海外の先生から指摘されることが多々あります。色んな音楽に反応するのが鈍い、と。

私もアマチュアの、さらにアマチュアの領域ではありますが、ピアノは何気に弾いたりして、一時期はバレエクラスを1日に何クラスも弾いたりしていたので、音には割と神経質です。どの音がダンサーにとって良くて、どの音が悪いか、もわかります。手抜きで弾いたりするバレエピアニストには、憤りを感じるくらい。現役時代はピアニストと喧嘩をよくしました(笑)バレエピアニストはただの伴奏屋さんではないんです。レッスンをリードしなくてはいけない。

グレコさんのピアノは、そうとうに敏感でないと理解不能で終わります。なぜなら、指導する側や踊り手たちの自らの身体が歌えないと、彼のピアノを受け入れられないからです。いわゆる「受け身」では彼のピアノには反応出来ません。

今日はそんなグレコさんの1番難解なCDを使いましたが、小学生たちも反応してくれたので、ホッとしました。

自らの身体が「歌いたい!」と欲するレッスンを、これからも指導できるように頑張ります。

明日は愛知県半田市のスワンバレエさん主催の私のWS。なんと22日は30人定員になったそうですが、スワンバレエさんのスタジオ、本当に広いので、何名かは追加可能にしてもらいました。

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明日21日の90分バーレッスンは若干空きがございます。ぜひいらしてください!

左右木健一